低気圧で体調を崩す理由と改善する方法
天候が原因で体調を崩す方は少なくありません。それは周囲が想像するよりもずっと深刻な問題です。どのような苦労があるでしょうか。どうしたら改善できますか。この記事では気圧に由来する体調不良について情報を提供します。
気圧が原因で起こる不調
多くの方が気圧が原因で体調を崩してしまう経験をしたことがあります。その一つに高山病が挙げられます。気圧が極端に低い場所に赴くことにより、体調に異常が発生し、猛烈な苦しみを味わいます。
飛行機で旅行するときや山道をドライブしているときに、耳が詰まるような感覚を味わったことが一度はあるでしょう。エレベーターは降りるときにふらつくような感覚があるので苦手という方は少なくありません。
気圧の変化による不調は、程度の違いこそあれ誰でも経験したことがあるはずです。とはいえ、生活に支障を来すレベルで体調を崩してしまう方がたくさんおられます。
そのような症状を日本では天気痛、海外では気象病と呼ばれています。
天気痛・気象病とは
天気痛は主に気圧の変化による頭痛・その他の症状のことを指す用語で、医者である佐藤純先生が広めた言葉です。気象病は適用範囲が広く、天候が原因になる症状全体を指して使われる用語です。
この記事では天気痛という呼び方を用います。天気痛という言葉から痛みを連想するかもしれませんが、症状は痛みに限定されず、倦怠感やめまいなど別の形で現れる可能性があることをご理解ください。
それでは最初に天気痛が非常に厄介な症状である理由を述べます。
非常に厄介である理由1:習慣を崩される
天気痛が非常に厄介なのは、実はひどい頭痛がくるからでも、ひどい倦怠感があるからでもありません。それらはとても辛いですが、それをはるかに上回る問題があります。それは強制的に習慣を崩されてしまうことです。
天気は気まぐれです。近年の天候は特に不安定でいつ天気が崩れるのか、誰も予想できません。天気痛が深刻な方は、天候が崩れるとその日の予定をこなすことが困難になります。起き上がることさえままならないからです。
習慣を崩されると何が起こるでしょうか。学校を休みがちになってしまい、不登校や退学の原因になります。仕事を定期的にこなすことが困難なため、職を失う恐れがあります。生活リズムが崩れると、結果的に体調もメンタルもますます悪化していきます。
非常に厄介である理由2:専門家が少ない
天気痛が難しい問題である二つ目の理由は、専門家が極端に少ないことです。天候由来の症状を研究する研究者があまりにも少ないので、状況が改善される未来が見えません。専門で診察してくれる医者が絶望的に少ないので、ほとんどの患者は症状を緩和することすら叶いません。
専門家が少ないことが大きな問題と言えるのはなぜでしょうか。専門家は自分が深く興味を持っていることや、そのとき必要とされていること、人気のあることなどを専門とします。逆の言い方をすると、天気痛は大勢の方を苦しめているのにもかかわらず、興味を持ってもらえず、研究が必要と考えられておらず、専門家たちの間で注目度が低いということになるからです。
これは天気痛を抱える大勢の方にとって危機感を抱かせる問題です。専門家がいないのであれば、しかも将来的にも増える気配がないのであれば、どうして希望を持てるでしょうか。
天気痛の原因と改善策
天気痛の原因は今のところ、気圧の変化に中耳が過敏に反応し、自律神経が乱れるからだとされています。そのため、改善策として自律神経を整える生活をすることと、耳まわりの血行をよくすることが勧められています。
例えば、次のようなことができます。
・耳の周りをマッサージする・抗めまい薬を天気が崩れる前に服用する・中耳の気圧の変化をなだらかにする耳栓を着用する
どれが一番効果があるか:効果は人それぞれ
私自身、ひどい倦怠感を伴う天気痛を持っているので、あらゆる手段を講じてきました。
抗めまい薬を飲んだり、耳周りのマッサージをしたり、気圧用の耳栓をしたり、血行をよくするための運動をしたり、体を温め水圧をかけるために入浴したり、ダクトファンを使って部屋の空気圧を加圧したり、色々なことを実践してきました。
そして結論を述べますと、私にはどれも大きな効果はありませんでした。とはいえこれらの方法で多少の改善が見られる方もおられるので、効果は人それぞれということでしょう。
他にできること:よく言われていること
これは健康系の記事では必ず言われることですが、天気痛も例外ではありません。次のことを心がけましょう。
- 適度な運動をする
- バランスの取れた食事をとる
- 十分な睡眠をとる
正直なところ、これらを実践して天気痛が改善されるかと言われると微妙なのです。しかし、生活をある程度良い状態に保つことで、天気痛になったときに負のスパイラルに陥ることを防いでくれます。
私個人のこれまでの研究
ここまでが天気痛に対する一般的な記述でした。ここからは私が個人的に研究してきたことについて記します。
私は子供のころから天気痛の症状があり、台風の発生も察知することができました。気圧が不安定だと起きられないほどの倦怠感と脱力感があり、学校は休みがちになりました。激しい天候のときには回転性めまいも生じました。
当時から今に至るまで、この症状について自分自身を実例として研究してきて、次第に天候に関係があること、気圧に関係があること、そして気圧の変化がトリガーになっていることを発見しました。これは佐藤純先生と同様の結論です。
さらに内科、消化器科、心療内科、精神科などで診察を受け、思い込みで症状が出ているわけではないことを確認しました。天気痛は精神的疾病とは別のものです。気持ちが沈んで天気痛になるのではなく、むしろ天気痛が精神にダメージを与えるのです。
先に述べたとおり、私はさまざまな両方を試しました。そして私の場合はあまり効果がありませんでした。
気圧についての実測調査も行いました。5階建てを登るだけで1ヘクトパスカルほどの変化があり、毎秒、微細ながらも気圧の変化が生じています。小部屋に空気を加えて、加圧してみたりもしましたが、多少加圧しただけでは体調に変化は見られませんでした。
今後の研究課題1:個室として気圧を整える
気圧と体調の関係を調べたとき、もっとも症状が現れるのが気圧が急激に上がるときや下がるときではなく、上がったり下がったりを細かく繰り返すときだということを発見しました。 上がり下がりを繰り返し、相対的に全体として気圧が上がりも下りもしないときの体調が非常に悪いです。
この事実から、酸素カプセルのような空間型の装置を天気痛向けにに改良するとしたら、気圧のなだらかな変化を取り入れる必要があるだろうという仮説を立てました。
すでに似たものに佐藤純先生が微高気圧装置を開発していますが、私の研究では気圧のなだらかな変化を生じさせることを主な目的としています。
そして、そのような『なだらかなに気圧が変化する部屋』に天気痛の方が入った場合の体調の変化を調べるのが私の課題です。
今後の研究課題2:耳とそれ以外の反応
現在の研究では気圧の変化を感じとるのは耳であるとされています。そのため耳が天気痛に大きく関係していることは明らかですが、それ以外に気圧が及ぼす影響のデータがありません。
私は頭部とそれ以外に、別々に気圧の変化を与えてどのような影響があるのかを調べることを課題としています。
体に気圧を与えて何らかの変化があるのであれば、今までとは異なるアプローチを取れる可能性があります。例えば加圧スーツや入浴、筋トレなどです。
逆に耳だけであれば、耳栓やオーバーヘッド型の装置について、もっと積極的に研究していく理由づけになるでしょう。
今後の研究課題3:水圧と天気痛の関係
日常生活の中で、人為的に体にかかる圧力を変化させる代表的なものは、入浴や水泳でしょう。私は水泳が天気痛にどんな影響を与えるのかを知りたいと思っています。
とはいえ、こんなご時世ですのでなかなか気軽にプールを利用することができません。もし、天気痛持ちの方で水泳をする機会がある方がいらっしゃったら、効果があったか、それともなかったか教えていただけると助かります。
まとめ
私は普段は絵描きとして活動しています。子供の頃から天気痛に悩まされており、ずっと改善策を模索し続けています。ここ1週間ほどを天気痛のために休養せざるを得なくなって、天気痛を恨めしく思っておりました。
そして、もしかすると私の経験や調べたことを必要としている方がいるかもしれないと思い至り、記事にすることにしました。
天気痛はとても大変ですが、お互いあきらめないようにしましょう。
それでは、よい創作を。