pixiv Sketchの始め方
私もpixiv Sketchを利用し始めてからそれなりの月日が経ちました。この記事ではこれまでの思い出を含め、より実践的で楽しい使い方を記したいと思います。
pixiv Sketch とは
あえて自分の言葉で表現するとpixiv Sketchはイラストに特化したSNSです。イラストを通して人と繋がるサービスと考えるとわかりやすいと思います。
ちなみにPixivとは異なります。すごく大雑把に分類すると古い方がPixivで新しい方がpixiv Sketchです。俗にPixivは支部、pixiv Sketchはピクスケと略されています。
pixiv Sketch の3つのすごいところ
他のSNSには見られない、pixiv Sketchならではの特徴を3つほど挙げてみます。
- 高機能なお絵描きツールが統合されている
- アプリが複数のOSに対応している
- ライブ配信ができる
私も趣味でお絵描きツールを自作したり、マルチプラットフォームのプログラムを書いたりしてきました。その経験を活かして率直な感想を述べます。すごい…!
pixiv Sketchはこんな人におすすめです
次の2点を満たしている人はpixiv Sketchに向いています。
- 描き途中のイラストを見るのが好きな人
- 絵を描いて見せるのが好きな人
絵を見るのも描くのも好きな人が向いています。見るだけ、あるいは描くだけの人はPixivやTwitterの方が向いていると思います。
pixiv Sketch小噺 〜溢れかえったおそ松さん〜
長い間pixiv Sketchを使っていると珍妙な出来事に出会うこともあります。特に思い出深いのがおそ松さんが大ヒットしていた時期にタイムラインが例の六つ子で埋め尽くされていたことです。
おそ松さんはシンプルな絵柄なので描きやすかったのだと思います。あまりにもおそ松さんのイラストが流れてくるので六つ子の見分けができないおそ松さん初心者の私はゲシュタルト崩壊して、もしかして幻の七人目がいるような錯覚さえしていました。
pixiv Sketchのスターターキット
pixiv Sketchを始めるときに次の2つを実践しておくと反応が変わります。
- あらかじめ3枚のイラストを投稿しておく
- 自分のイラストでアイコンを作る
次の2つを念頭に置いて活動するとフォロワーが増えやすくなります。
- いつもどおりの絵柄で投稿する
- 気に入った作品をいいねする
次の3つに気をつけると不要な摩擦を避けることができます。
- フォローしすぎない
- リスナップしすぎない
- 一気に過去作を全部いいねしない
それぞれにきちんとした理由があります。くどくどとした文章になってしまうので、苦手な方は読み飛ばしても構いません。
pixiv Sketch小噺 〜くどいせつめい〜
あらかじめ3枚のイラストを投稿しておくのは、例えばフォロワーを確認したいとき、アイコンとユーザー名と共に最近の3枚の投稿がサムネイルとして表示されるからです。3枚がサムネイル表示される場面は他にも多くあります。この3枚でだいぶ印象が変わるので、とりあえず3枚投稿しておこうというの妥当な判断です。
アイコンは少なからず影響を与えます。例えば初期設定のままだとフォローしていいのかどうか迷わせてしまうかもしれません。かわいいフリーアイコンや自分で撮った写真などでも良いのですが、できれば自作のイラストをアイコンにすると同じ趣味のユーザーとつながりやすくなります。
いつもどおり絵柄で投稿するのは大切です。絵描きは芸術家でもあるので、たまには尖ったイラストを描きたくなるかもしれません。でも、尖った芸術家を目指しているのでなければ、いきなり刺激が強すぎるイラストを投稿するのは避けた方が無難です。上手下手に関係なく、いつもの絵柄で投稿していると、利用者は安心して見ることができるようになり、結果として好印象を与えることができます。
これは経験則なのですがpixiv Sketchは作品を投稿するだけではフォロワーがあまり増えません。数が全てではありませんが、もっとたくさんの人に見てもらいたいとしたら、気に入った作品をいいねをすることが効果的です。まずは自分から作品を見る姿勢を示すことで不思議と作品を見てもらいやすくなります。
SNSを利用したことがあることがある人は十分に理解していると思いますが、SNSには不快に感じる投稿や反応がどうしても紛れ込んでいます。とはいえ、その点でpixiv Sketchは不適切な投稿や否定的なコメントが少なく利用しやすく感じています。
pixiv Sketchはフォロー数もフォロワー数も見えるようになっているので、フォロー数に対してあまりにもかけ離れたフォローをすると、あまり交流には乗り気ではない印象を与えかねず、フォロバしていいのか迷わせてしまうかもしれません。
pixiv Sketchではフォローしているユーザーの投稿を見れるタイムラインがあるのですが、リスナップしすぎてしまうとフォローしているユーザーの作品を押し流す勢いでリスナップ作品が列挙されてしまいます。そうなってしまうとイラストは気に入られていても仕方なくミュートすることを考えてしまうかもしれません。逆に適度なリスナップは色々なイラストに出会う機会を与えることになるので歓迎されるでしょう。
最近のアプリの多くに通知機能が付いています。反応がわかる便利な機能ですが、あまりにも多くの通知がつくとうんざりしてしまうことがあり得ます。もちろん通知は個人で設定できるのですが、一度に大量の通知がいかないように配慮するのは賢明です。いいねも通知で届くので、どんなに気に入った絵柄の作者がいても、一気に過去作を全部いいねするのではなく数個に留めておく方が良いでしょう。
他のアプリとのガチ比較
pixiv Sketchと他の類似アプリ・サービスと忖度なしで比較してみます。pixiv SketchはSNSとしては明確な競合がないので、それぞれの機能別に比較します。あくまで私個人の採点なのでご了承ください。
イラスト制作の総合力ではCLIP STUDIO PAINTがPC版の機能をごっそりアプリ版に移行しているので非常に強く、次点でMediBang Paintが無料かつ高機能で強いです。pixiv Sketchは色調整機能などが追加されてイラストを完成させるための最低限のツールが揃っているという印象です。
お絵描きの書き心地はProcreateが強すぎて、それをFrescoが追いかけている印象です。pixiv Sketchはお絵描きツールが一新されて描き心地がすごく良いです。最強の座が獲得できなかったのは2強が強すぎるためです。
スマホで描けるお手軽なお絵描きツールの認知度としてはibisPaintが一番強く、次点でpixiv Sketchといった印象です。ibisPaintは次々と追加されるプリセットが魅力的で、宣伝にかなり力を入れており、がっしりと利用者の心を掴んでいるように思います。
pixiv Sketch5周年のプロモーションに参加させていただいた身としては、若干の悔しさとそれを上回る尊敬を感じます。私ももっと精進したいです。
お気楽イラスト投稿SNSで、お気楽度だけで比べるなら、ポイピクとかべうちが同率で一位だと思います。その二つはコメント機能もないので、評価を気にせず投稿できます。その次にpixiv Sketchが来ている印象です。
イラスト投稿系SNSのコミュニティの雰囲気ではpixiv Skechが堂々の一位です。どうしても荒れやすい性質を持つSNSで、ほとんど目立った騒動もなく、投稿内容も他と比べてもだいぶ健全性を保っています。
SNSのアクティビティに関してはpixivSketchは1日で2500ぐらいの投稿があります。ちなみにPixivだと1日で20000ぐらいです。最大規模ではないですが、十分賑やかなコミュニティを築いていると感じます。
pixiv Sketchを星5つで評価してみます。
- 機能 ★★☆☆☆
- 描き心地 ★★★★☆
- 認知度 ★★★☆☆
- 手軽さ ★★★★☆
- 雰囲気 ★★★★☆
- 規模 ★★★☆☆
描き心地や雰囲気は星5つでも良かったかもしれません。前者はProcreateが強すぎたため、雰囲気についてはSNS自体がどうしても荒れやすい性質を持っているために一応4つにしました。個人的には大満足です。
結論としてpixiv Sketchは総合的に見てバランスの良いアプリと言えるでしょう。
初めてのイラスト投稿におすすめ
そのようなわけで私は初めてのイラスト投稿にpixiv Sketchをおすすめしています。
pixiv Sketchを通じてイラスト投稿や他のユーザーとのやりとりに慣れて、もっとたくさんの人に見てもらいたくなったらPixivやTwitterなどを利用するのが良いと思います。
pixiv Sketch小噺 〜コメント機能がなかった時代〜
pixiv Sketchには当初コメント機能がありませんでした。リプライ機能はあったのですが、あくまでイラストで返信するというストイックな仕様でした。
意外かもしれませんが、私がpixiv Sketchを選んだ一番の理由はコメント機能がなかったからです。イラストで返信をするのはとても手間がかかるので、本当に気に入ったイラストだけにリプライするでしょうし、悪口などは書く気持ちも湧かないでしょうから。
ですからコメント機能が実装されたとき、歓喜の声が多い中で私は少し不安でした。気軽にコメントが送れるようになって、どんなコメントがくるのかヒヤヒヤしていたのです。
蓋を開ければ、あたたかいコメントばかりでありがたい限りでした。pixiv Sketchには良い雰囲気のコミュニティができていたようです。本当によかった。
実を言うと今でもコメントを開くたびにドキドキしています。あたたかいコメントが来ますように。
正直にオススメするお絵描きアプリ
私はiPadユーザーなので利用目的別のお勧めおえかきiOSアプリを紹介します。
- 漫画を描きたい:CLIP STUDIO PAINT EX
- 最高の描き味を求めたい:Procreate
- 水彩風の絵を描きたい:Fresco
- スマホだけど本格的に描きたい:ibisPaint
- ストレスの全くないイラスト投稿がしたい:ポイピク
- 絵描きとして広く知られたい:Twitter
- イラストを通じて交流したい:pixiv Sketch
でも本当の本当に正直なところ、全部入れて気分に合わせて取っ替え引っ替えするのが一番楽しいと思います。私も色々入れています。
pixiv Sketch小噺 〜drawr移行時の珍事〜
pixiv Sketchにはその前身とも言えるdrawrというサービスが存在しました。そのサービス終了時にdrawrに投稿した作品をpixiv Sketchに移行できるツールが用意されたのですが、それが一つの珍事を引き起こしてしまいました。
そのツールで移行された作品はすべて新規投稿イラストと同じように扱われたため、新着のタイムラインがdrawrの過去作で埋め尽くされてしまったのです。幸いにも運営さんが迅速に対応してくれたおかげで、事態はすぐに収拾しました。運営さんありがとう。
* pixiv Sketch小噺 〜あの人は今〜 *
出会いがあれば別れもあります。SNSを長く使っていると最初のころに知り合った人が利用をやめてしまっていることがよくあります。これは自然なことだと思います。
初めて作品を褒めてくれた人、投稿を続けるきっかけをくれた人など、不思議と覚えているものです。私が4コマ漫画を描くようになったのは「続きが読みたい」とコメントしてくれた一人のユーザーのおかげです。私が一度離れたpixiv Sketchに帰ってこれたのは「いつでも帰ってきていいんだよ」と言ってくれたあなたのおかげです。
今でもたくさんの人のことを覚えています。ありがとう。さようなら。でも、いつでも帰ってきてもいいんだよ。
* pixiv Sketch小噺 〜渋茶難民続出〜 *
前述したdrawrの他にかつてpixivチャットというサービスが存在しました。一つのキャンバスに大人数で描き込めるいわゆる絵チャットです。俗に渋茶と呼ばれていました。
このpixivチャットが終了したことを惜しむ声や復活を望む声を今でもたびたび耳にします。時間を忘れて描いたものだと口々に言っていました。
pixiv Sketchから配信できるsketch LIVEはいわばpixivチャットの後継あるいは刷新されたサービスのようなものです。複数人での配信に対応していますが、同じのキャンバスに描き込むことはできません。
そのためpixivチャットに親しんでいたユーザーは時々「sketch LIVEに絵チャ機能が搭載されないかなぁ」とぽつり言葉を零すのです。
ログアウト=退会…ではない
pixiv Sketchを利用していると、たまにログアウトしてしまったので一から始める、あるいは辞めますといった投稿を見かけることがあります。でも、ログアウトしたりアプリを消したりしても退会したことにはなりません。
そして重要なことですがログアウトしたりアプリを削除したりしただけでは投稿したイラストは消えません。投稿したイラストはPixiv関連のサーバーに保存されています。
うっかりログアウトしたりアプリを削除してしまっても、慌てずに再インストールするかログインし直しましょう。投稿作品は残っています。逆に全ての投稿作品を削除したい場合は退会するか、自分の投稿作品の一覧から一つずつ削除しましょう。
いつでもやめていい。いつ帰ってきてもいい。
退会というワードが出たので、一つだけ強調したいと思います。どのSNSにも言えることですが、いつやめても大丈夫です。事情は人それぞれです。
もちろん寂しく思うユーザーさんもたくさんいます。でもそこに罪悪感を感じる必要は全くありません。逆に帰ってくることに気まずさを感じる必要もありません。
フォロワーさんのことが気になるでしょうか。大丈夫です。事情があって辞めた方のフォローを外すことはあまりないようです。また改めて始めるとしても「以前フォローしていた○○です。改めて再開することにしました。良かったらまた繋がりませんか」という風に声をかければ、ほとんどの場合またフォローしてくれます。
いつでもやめていいし、いつ帰ってきてもいい。そのくらい気楽に考えていた方がずっと楽です。気楽にいきましょう。
pixiv Sketchを楽しく使おう
いかがだったでしょうか。この記事ではpixiv Sketchをより楽しくより実践的に使うため方法を書いてみました。pixiv Sketchでの思い出も書きました。
pixiv Sketchは5周年を迎え、ますます楽しいサービスになっています。この機会にpixiv Sketchを使ったことがない方も、久しく離れていた方も気軽なお絵かきを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
それでは、良い創作を。