お絵描き時短テクニック
ここ数日は新しい液タブでのお絵かきに慣れるために設定や試し書きをしていました。もともとiPadProでお絵かきしていたので、使用感を寄せるためにあらゆるカスタマイズを施しています。そのうちのいくつかは同じことをしている人の少ないものがあったため、ノウハウの共有のために記事にします。
時短1 ブラシの収集と整理
最適なブラシを用意するのは時短への近道。ということで、私が最初に設定したのはブラシです。Photoshopは無料で1000以上のブラシが公式サイトから提供されているので、片っ端からダウンロードして全部試しました。数が膨大だったので全部のブラシを試すのに数時間かかりました。
有料ブラシもCubebrushから良さそうなものを購入して、試しました。こちらも数百のブラシがあったため調査に時間がかかりました。
おすすめPhotoshopブラシセット:
・(Void) Frank\’s Photoshop Pencils Photoshopは鉛筆の表現がやや弱いので、鉛筆は有料ブラシも含めて念入りに調査しました。その中でも群を抜いて良かったのがFrank\’s Photoshop Pencilsです。正直に言うとそれでもFrescoやProcreate、CLIP STUDIOの鉛筆には若干劣るのですが、描き味は十分に許容範囲でした。ファイル形式がtplなので、直接ドラッグ&ドロップでインストールしましょう。
・(Viorie) Brushes for Procreate, SAI & Photoshop 2020
Viorie氏のブラシは収録数が多く、その中からベストなものを選定するのが大変でした。今もフォルダ分けを継続中です。とはいえ、かなり使えるブラシが揃っていました。優秀です。有料ブラシを一つだけ購入するとしたら、これがおすすめかもしれません。塗りは主にこのブラシセットを使おうと考えています。
・(Madeleine) Ghibli Inspired Brushes for Photoshop & Procreate
名前の通りジブリの影響を受けて作成されたGhibliブラシは、自然の表現が優秀です。よくあるオーガニック系のブラシはクセが強くて使いにくいことがあるのですが、このブラシセットは使いやすかったです。ジブリ作品をよく研究しているのが伝わってきます。Ghibliブラシで大まかな自然を描いてしまって、慣れた筆で調整すると、いい感じに時短できそうです。
おすすめのCLIP STUDIOブラシ:
・しげペン改 ・線画用ペン
CLIP STUDIOは漫画作画をメインに考えているので、インク系を選びました。どちらもこの界隈では有名なペンです。CLIP STUDIOはペン・鉛筆ともに標準でも十分に良いです。まだ有名どころしか調べられていないので、もう少し調査したいです。
おすすめのProcreateブラシ:
・デフォルトのブラシ
Procreateも有料ブラシをいくつか試したのですが、最初から入っているブラシが優秀過ぎました。具体的にどのブラシがおすすめかはいつかまた記事にしたいです。前述のViorie氏のブラシやGhibliブラシはProcreateでも使えるので、試してみてもいいかもしれませんね。
時短2 独自スウォッチ(カラーセット)の作成
次に私が取り組んだのがPhotoshopではスウォッチ、CLIP STUDIOではカラーセットと呼ばれるものの作成です。
これについてはまだまだ作成中で、イラスト制作を続けながらコツコツと改良していく予定です。今のところの成果物は植物カラーと、空カラーのセットです。
以前に作成したものも紹介します。これはProcreate用に作ったカラーパレットです。ProcreateはPCアプリに比べるとパレットの扱いが若干不便なので、画像から色を抽出できるように作りました。
五色並んでいるのが髪の色で、三色並んでいるのが肌の色です。カラフルなグラデーションになっているのがPCCSカラー体系を拡張したものです。
スウォッチやカラーセットなどは、有志の方が作成されたものもたくさんあるので、それらも調査して使いやすいものにしていきたいです。
時短3 左手デバイスとショートカット
iPadPro+Procreateでは二本指タップでアンドゥをしたり、ピンチイン・ピンチアウトで拡大縮小したりできたので、少なくともそれに引けを取らない使い心地を目指しました。
そのために必須なのが左手デバイスです。先日購入した液タブに左手デバイスが付属していたので、最初はそれにショートカットを割り当てていきました。
ネコのシールは100均で描いました。マスキングテープになっているのが素晴らしいです。
これを設定するだけでも、かなり描きやすくなりました。ブラシサイズの拡大縮小も片手でできます。とはいえ作業するうちに、割り当てたいショートカットに対応するキーが足りなくなってきました。
Razerの左手デバイスTarutarus V2も持っているのですが、最新のmacOSでは設定アプリが正常に動かなくて諦めました。macOSにも対応して欲しいです。
そのような経緯で普段使用しているキーボードに直接割り当てることにしました。左手がカバーする20のキー+スペースキー、装飾キーが対象です。わかりやすいように100均のネコシールでショートカットのアイコンを描いています。いつかレーザー刻印とかできたらかっこいいなぁと想像だけは膨らんでいます。
割り当てですが、まずWASDキーにブラシのサイズ増減とブラシ変更を割り当てました。このキーはゲームではよくキャラクターの移動に割り当てられているので、すんなり指が動きます。
その右上と左上のアンドゥとリドゥを割り当てました。ここもゲーム感覚でサクサクと使いやすい位置です。左が戻る、右がやり直すというのも直感的でやりやすいです。
一番押しやすいFキーは、少し特殊です。押した時にスポイトツールになり、話した時にブラシツールになるように設定しました。こうすることにより、色を取得して塗りを継続するというのが継ぎ目なくできるようになります。
時短4 キーリマップ
Fキーの挙動など、特殊な動作をさせるためにキーリマップ(キーの割り当て)アプリを使用しています。使用したアプリはKarabiner Elementsです。これを使うとAを押したときにBが送信されるなどの変更ができるというわけです。
私はMacユーザーなのでKarabinerを使用していますが、Windowsにも似たようなアプリがあるはずなので(むしろ多い印象)、ぜひ探してみてください。
今回は普通のキーボードに色々なショートカットを割り当てようとすると限界が来てしまったり、送信したいキーが干渉してしまったりしたので、キーリマップアプリを駆使する必要がありました。現状、設定ファイルがごちゃごちゃしてきたので、スッキリさせたいです。
時短5 スクリプト
ショートカットは基本的にお絵かきアプリ側が提供している機能を呼び出すだけです。とはいえ、やりたいことがピンポイントで実装されているわけではありません。それを実現するための手段がスクリプトです。
私はこれが理由でスクリプトの自由度が高いお絵かきアプリであるKritaを使用したいと思っていました。残念ながら最新のmacOSでは描画が若干もたつくため、使用を断念しました。
幸いなことに、Photoshopのスクリプト機能でもやりたいことが実現できることがわかりました。PhotoshopはJavaScriptを使用して、機能を拡張できます。そしてさらにその機能拡張をショートカットに割り当てることができます。
今のところレイヤーの透明度を変更するスクリプトやレイヤーのブレンドモードを変更するスクリプトを作成しました。スクリプト自体は非常にシンプルです。見た目以上に簡単に作成できるので、気になる方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
スクリプトの作成はまだまだ不十分なので、今後も引き続き作成していきたいです。
時短6 プラグイン
有志の方が作成してくれたプラグインも時短のための良い方法です。私はまだ紹介記事を軽く読むくらいまでしかできていないのですが、役立ちそうなプラグインがたくさんあったので、色々と試してみたいです。
時短7 素材ブラシとチートブラシ
時短1で紹介しきれなかったので、こちらで改めて紹介します。ブラシにはお絵かきのための筆やペンだけでなく、スタンプのように素材をそのままブラシとして取り込んだものがあります。
また顔や体などを360°回転させたものをブラシにした、チートブラシというのもあります。そういったブラシは時短にもってこいなので、他の設定が一段落したら良いものを探したいです。
時短8 カスタムシェイプ
意外と忘れられがちなのが、カスタムシェイプです。標準では基本的な図形しか入っていませんが、建造物や小物などを揃えておくと、イラスト制作を加速させるのに役立ちます。
こちらもまだ手付かずです。
時短9 写真素材
気軽に旅行できないご時世なので、すぐには難しいかもしれませんが、自分用の写真素材を集めておくと便利です。現在はパブリックドメインやCC0など営利目的も含めて自由に使用できる写真も入手できるので、そういった画像をチェックするのもいいかもしれません。
写真はアニメ版『けいおん!』の学校のモデルになった、豊郷小学校です。学校は気軽に立ち入れないので、こういう風に一般公開されている場所はありがたいです。
まとめ
もともと気持ち良くお絵かきするために色々と調整していたはずが、いつの間にか時短テクニック集みたいになってきたので、記事にしてみました。
ちなみに時短して余った時間は、さらなる描き込みに費され、結局早く仕上がることはないです。これは絵描きの宿命なので諦めましょう。