アイデアを生むための4つの方法
この記事ではアイデアを生むための4つの方法について考えます。
アイデアの生まれる3つの場所
およそ1000年前、中国の欧陽脩という人が文章を練るのに最適な場所として、三つの場所を挙げました。
- 馬に乗っているとき
- 寝床に入っているとき
- トイレに行っているとき
これらは馬上、枕上、厠上と呼ばれ、三上として知られています。興味深いことに、机の前や書斎などは含まれていません。もし現代版の三上を作るとしたら次のようなものになるかもしれません。
- 電車に揺られているとき
- ベッドに入っているとき
- シャワーを浴びているとき
このようにアイデアを出そうと必死になっているときよりも、ぼーっとしているときの方が良いアイデアが浮かんだりするものです。
これらから得られる教訓はなんでしょうか。アイデアは思いもよらないときに降ってくるので、いつでも記録できるようにしておくべきということです。
メモ帳をどこでも使えるようにしておこう
メモ帳を携帯しておくなら、浮かんだアイデアをすかさず記録することができます。良いアイデアを忘れる前に備忘録に残しておくことができます。
いつメモできるでしょうか。いつでもです。アイデアが思いついたなら、その場でさっとメモしてしまいましょう。アイデアが生まれやすい場所にメモ帳を用意しておくのは良い方法です。例えば、枕元にメモ用紙とペンを用意しておけるかもしれません。
どのようなメモ帳が良いでしょうか。携帯できるものなら、どんなメモ帳でも構いません。ぜひ文具コーナーで使いやすいメモ帳を探してみてください。また、スマホやICレコーダーを活用するのも良い方法です。
大切なのはメモ帳をいつも携帯しておき、アイデアが浮かんだらすかさずメモすることです。
カメラを活用する
メモ帳のほかに、スマホやICレコーダー、カメラといった道具を使って効率よく”メモ”することができます。特にスマホ・カメラは情報をアイデアを手っ取り早く記録しておくのに便利です。
もしかするとある人は、スマホやカメラを使うのに少し抵抗があるかもしれません。何かずるいように感じるからでしょう。でも、人間の記憶力には限りがありますし、使える道具は使っておくに越したことはありません。
そうやって道具を上手に使って情報をストックしておくなら、参考資料になるだけでなく、アイデアの素になって役立てることができるようになります。
アイデアとは良い考えのこと
ここで改めてアイデアという言葉について調べてみましょう。大辞林ではアイディアという言葉について次のように説明されています。
- 思いつき。着想。
- 《哲》観念。理念。
この中で一番わかりやすいのは『思いつき』という言葉です。ではさらに、思いつきという単語についても調べてみます。
- ふと心に浮かんだこと。
- よい考え。よい工夫。着想。
- あるものに心を寄せること。ひいきすること。
この中では1か2が該当しそうです。次のように要約できます。
アイデアとはふと心に浮かんだ、あるいは良い考えのことである。
考えを得るには考えるしかない
もし良い考えを求めているなら、よく考えるしかありません。なぜなら、考えとは考えた結果として得るものだからです。考えずに考えを得ることはできません。
考えることと悩むことは違います。悩むとは結論が出せなくて苦しむことであるのに対して、考えるとは論理的に筋道立てて答えを出そうとすることだからです。
では具体的にどうやって考えることができるでしょうか。その前に自分の思考のタイプについて知っておくと便利です。
三つの思考タイプ
テンプル・グランディン氏が著わした『自閉症の脳を読み解く』という本には思考のタイプを三つの分類しています。
- 画像で考える人
- 言語・事実で考える人
- パターンで考える人
この三つのうちどれに当てはまるでしょうか。次の質問に答えてみましょう。
「自分は作品を作るとき、どうやって作り始めるだろうか」
完成形がぼんやりとでも頭の中に浮かぶ人は画像で考える人でしょう。5W1Hを書き出して考えを練る人は言語・事実で考える人でしょう。思いつくまま連想で作り始める人はパターンで考える人でしょう。
思考タイプによって得意な考え方が違うので、誰もが使えるアイデアの思考法を教えることはできません。でも、この分野での研究が進むのを待つ必要はありません。アイデアを生む方法を自分で探すことができます。
アイデアを生み出す42の方法
読書猿氏の著書『アイデア大全』には42通りの発想法が紹介されています。
この本は二部構成になっていて、前半では『0から1へ』つまりアイデアやテーマが0の状態から使える発想法を、後半では『1から複数へ』つまりアイデアやテーマが1つ以上はある状態で用いる発想法について教えています。
全部で11章あり、例えば『第1章 自分に尋ねる』や『第3章 問題を察知する』、『第6章 違う視点で見る』や『第8章 矛盾から考える』といった視点でまとめられています。それらの発想法すべてに熟達するのは無理かもしれませんが、自分に役立つ方法が見つかるかもしれません。
昔から今に至るまで人々はアイデアの発想法について考えてきました。その中で多くの方法が生まれました。すでに確立された発想法を使うのは良いアイデアを生む近道です。
向上心とアイデアの関係
イラストを描くのに良いアイデアが必要だと感じることはよくあります。描く題材がなかなか決まらないときなどは特にそうです。コンテストに応募したいときもそう思うかもしれません。
でも、落書きをするときにはアイデアについてあまり考えません。コンテストのイラストと普段の落書きでは、どこに違いがあるのでしょうか。
コンテストのイラストも落書きも、どちらも同じキャンバスに絵を描きます。でも、コンテストに出す絵は丁寧に時間をかけて描きます。より良い絵を描こうとします。絵に対する意識に違いがあります。
ここから分かるのは、アイデアを得るには、良い作品を作ろうとする向上心が不可欠であるということです。向上心を得るには、成し遂げることの意義をはっきりさせておくことが必要です。目標を持つこと、一緒に問題に取り組める仲間がいることも助けになります。
アイデアの素になる情報をインプットする
アイデアを生み出すには考えることが不可欠ですが、全くの空っぽの状態から考えることはできません。考えるにはある程度の材料が必要です。
考える材料はどうやって手に入れることができるでしょうか。私たちは情報のほとんどを聞くことから得ています。また見ることは情報を得る主要な手段です。ですから、目と耳を上手に活用して情報を集めることができます。
散歩をしましょう。自然界にはアイデアの種になる情報であふれています。可愛い動物や綺麗な花、美しい景色から多くを学ぶことができます。水のせせらぎや小鳥のさえずりからたくさんの発想を得ることができます。
本を読みましょう。本は良い情報を効率よく得る手段になります。多くの場合、ネットよりも情報が整頓されており正確なので、安心して学ぶことができます。作品集などを読むのもおすすめです。
調査しましょう。今ではインターネットで多くの物事を簡単に調べられるようになっています。分からないことはそのままにせず、辞書や本あるいはネットを活用して調べましょう。
そうやって得た情報はアイデアの素になって、アイデアを生み出す助けになります。例えば、「あのとき見た表現方法をこの作品に活かせるかもしれない」などと考えることができます。
ツールを上手に活用する
よい道具があるならば、難しい問題を切り抜ける助けになります。アイデアを得るためのツールについても同様です。先ほど紹介したアイデアの発想法もツールの一つです。
配色で悩んでいるとしましょう。そんなときに役立つどんなツールがあるでしょうか。色色は入力した言葉のイメージカラーを生成してくれる便利なウェブサイトです。HUE/360というウェブサイトを活用してマッチする色を探すこともできます。
- 色色
- HUE/360
たくさんのツールがあるので探し出すのが大変に思えるかもしれません。例えばデザイン関連ならcolissやPhotoshopVIPといったウェブサイトで有用な情報を得ることができます。イラストならPixiVisionやいちあっぷ、イラスト・マンガ描き方ナビといったサイトをチェックしておくと良いかもしれません。
- デザイン
- coliss
- PhotoshopVIP
- イラスト
- PixiVision
- いちあっぷ
- イラスト・マンガ描き方ナビ
ぜひ便利なツールはどんどん活用しましょう。
惜しまずに、しかし次のプロジェクトで使おう
アイデアを使うことについて、二つの注意点を述べたいと思います。
- アイデアを惜しまずに使おう
- 良いアイデアは次のプロジェクトで活かそう
アイデアを使うことを惜しまないようにしましょう。アイデアを使える場面が訪れたら、すかさず使ってみることをおすすめします。使うことによって技術が上達し、アイデアを生み出した目的を果たすことができるからです。
とはいえ、良いアイデアは当面のプロジェクトを壊してしまう恐れがあります。スケジュールが決まっているのに良いアイデアを詰め込もうとするなら、プロジェクトは破綻してしまうでしょう。
ですから、良いアイデアは惜しまず使うべきですが、当面のプロジェクトではなく次のプロジェクトで使うようにしましょう。
まとめ|アイデアを生むための4つの方法
これまで書いてきたことをまとめると、次のようになります。
- メモしよう
- 思考タイプに合った発想法を試そう
- 情報をインプットしよう
- 道具を活用しよう
メモをすることで浮かんだアイデアを逃さず記録しておくことができます。思考タイプに合った発想法を試すことで、スムーズにアイデアを生み出す方法を探せます。情報をインプットしてアイデアの種をたくさん植えることができます。道具を活用して効率よくアイデアを得る助けが得られます。
そして、アイデアを活用する機会が訪れたのなら、躊躇することなく使ってみましょう。
アイデアを生む努力を続けていくなら、目的を達成するための手段を見つけやすくなり、作品をよりよいものにしていく助けになることでしょう。