pixiv小説が盛り上がっているので小説を書こう
最近pixiv小説が盛り上がっているらしいですよ。情報源は私です。何を隠そう私はWeb小説が大好きで、いろんな小説投稿サイトを見て回っているのです。どのサイトも様々な良さがあるのですが、最近はpixiv小説が特に活発化している印象なので、私も便乗してみたくなりました。
そもそも小説ってなに?
小説を書くというと、小学校の時にやった作文を思い出してできそうにないと思ってしまいますか。作文や論文と小説との一番の違いは、小説はあくまでエンターテイメントだということです。いろんなジャンルがあれど、基本は楽しむためのもので、そんなに堅苦しく考える必要はありません。お絵かきと一緒です。
小説にはいろんな作りがあって、中には延々とモノローグが続くものがあったり、ほとんどセリフで構成されていたり、本当に多種多様なのですが、基本的に小説は物語が書かれることがほとんどです。
物語というのは、すごく自然なものです。大人になるにつれて論理的に考えたり説明したりできるようになって離れてしまいがちですが、子供のころは、自分の体験を最初から逐一説明して、あんなことがあった、こんなことがあったと親に話します。小説ではこの子供のように、物語を一から十まで愚直にお話しすることとそんなに違いはありません。
小説ってどんな道具で書くの?
絵描きがお絵かき道具にどこまでも貪欲なように、物書きは最高の執筆環境のために質実剛健かつ奇想天外なアイデアを捻り出します。コーヒーを飲むと執筆が進むことに気づいたある作家は、1日に何十杯ものコーヒーを飲んで執筆します。彼にとってコーヒーはなくてはならない執筆道具です。トイレで物語が思いつく人は、ひたすらトイレに籠って執筆活動をします。けっして、お腹を壊しているわけではありません。
お絵かきと同じように、アナログで執筆するのが好きな人と、デジタルで書いたほうが捗る人がいます。昔ながらの原稿用紙に、お気に入りの万年筆を用意しようとする人がいます。私です。最高のキーボードとディスプレイを用意しようとする人がいます。それも私です。
中にはふわふわと浮かぶの物語を掴み取ろうとして、一風変わったアイデアを試す人もいます。ヴィンテージ感あふれるタイプライターを使ったり、少しでも早い入力のために親指シフトキーボードを使ったり、エディター専用端末のポメラを使ったり、最高の執筆環境を目指すために労力は惜しみません。
では、これから小説を書き始めたい人がそんな大層な道具を用意しなければいけないのかというと、そんなことはありません。PCがあるならそれで、スマホがあればそれで十分です。
おすすめの執筆環境
私がお勧めする最強の執筆環境はGoogle音声入力です。iPhoneをお持ちの方は純正の音声入力で大丈夫です。音声入力の利点は、思いつくまま口にした物語がそのまま文章になるので、執筆が早くなることと、ブラインドタッチやフリック入力のように、入力方法に熟練しなくても、だれでも使えるからです。
そう言った点から、音声入力と編集の両方ができるGoogleドキュメントがお勧めです。大雑把なイメージは音声入力で作ってしまい、全体の校正や編集は後からPCやタブレットからすればいいのです。
もし他の優れたエディターをお探しなら、Wordのような多機能のものより、シンプルなものをお勧めします。Markdownエディターに分類されるものは、大抵シンプルで精錬されているので、お気に入りのエディタがきっと見つかるはずです。ちなみに私はiA Writerを使っています。
小説の書き始め方
さあ、小説を書き始めましょう。最初の一文が迷うかもしれません。しかし、最初の一ページを最高の出来にしようとするのはやめましょう。それはイラストで、描き始めの眉毛を徹底的に仕上げるのに似ています。細部が気になるのは仕方のないことですが、まずは全体をざっくりと書いてしまいましょう。
全体を書くというと、あらすじを書くことを思い浮かべるかもしれません。注意すべき点は、やはり最高のあらすじを書こうとしないことです。展開が思いつかないからといって、To be continued… などと書かないようにしましょう。端的にまとめようとする必要もありません。
とにかく筆を前へ前へと押し進め、エンディングまで書き切ってしまうことです。おすすめのフレーズは『なんやかんや』です。展開が複雑になりそうだったり、現時点で思いつかない時はふわっとニュアンスを伝えるにとどめましょう。なんとかしてエンディングまで書きましょう。
長期戦に備える
人間が1日に書ける文字数を知っていますか。休みなくすらすらとキーボードを打てれば、数万文字書けるかもしれませんが、物語を考えながらでは、私の場合はせいぜい6000文字程度です。
この6000文字はあくまで、体調が万全で調子が良い時の数字です。仮に筆がなかなか進まないときの文字数を1000字だとして、自分のだいたいの大量の変化から、1日あたりに書ける平均の文字数は3000文字と算出したとしましょう。
もし30000文字の小説を書こうと思ったら、10日かかる計算になります。10日間執筆のモチベーションを保ち続けることができるでしょうか。長期戦になることは明らかです。
こんな感じの大体の数字を出しておくのをお勧めします。一旦がむしゃらに小説を書いてみて、1日にどれくらい書けるか記録を取ってみてください。私はアナログの場合は原稿用紙10枚が限界でした。文字数にして4000字です。
どんなに優れた作家も書き始めたばかりのアマチュアも、文字の生産能力という点では大差ありません。1日にかける量には限界があります。余談ですが、毎日コツコツと書き続けた世界一長い小説を読破した人はいません。
どんな話を書けばいいの?
どんな話を書けば良いのか、ストーリー作りのノウハウは巷に溢れています。逆境からのしあがるサクセスストーリー、燃えるような恋愛、熱い友情とバトル、いろいろです。
定番のテンプレは、秘められた力や才能があるというパターンです。このテンプレが優れている点は、どこで力や才能が覚醒して発揮するのだろうと、ワクワクしながら読めるという点です。先が読めない物語ももちろん面白いですが、面白いことが起きるとわかっていたほうが、読み続けてもらいやすくなります。
小説を書こうとすると、どうしても壮大な物語や感動のストーリーを書きたくなってしまうものですが、ステップアップと考えて、ちょっとしたエンターテイメントを提供するつもりで書くことをお勧めします。
書き終えたあとの虚無感
小説書きは、イラストや音楽といった創作と比べると、虚無感や喪失感、無力感といった感情につきまとわれがちです。文字を扱うという点や、自分の内側から感情とともに物語を引っ張り出してくるという点からも、危ういところがあることがわかります。少なくない小説家が悲劇的な最期を迎えたのは偶然ではありません。
人によるとは思いますが、小説は書き終えて、心が満たされる類の創作ではありません。なかなかにしんどい作業の末に、イラストや音楽に比べて誰かに見てもらうハードルがとても高いです。誰からも評価されないこともあるでしょう。物語を捻り出すことに疲れてしまうこともあります。身を削るような思いをして書いた小説が、なんの爪痕も残せない時は本当にやるせない気持ちになります。
そのようなわけで、小説を書き始めたい方は、小説を書いた時のメンタルの変化にも気を配るようにしましょう。書けなくても深刻にならないようにしましょう。小説はエンターテイメントです。楽しむためのものです。楽しむためのものを生み出すために、自分の心が健康であることは、とても大事なことなのです。
間違っても、自分の人生をかけて物語を書こうなどとは考えないようにしましょう。小説のために人生があるのではなく、人生の楽しみのために小説があるのです。
コンテストに挑戦してみよう
小説を書いている人で、小説のコンクールの入選を目標にしている方も少なくないと思います。今でもコンクールは小説家の登竜門です。いろいろなものが開催されているので、自分に合ったものを探しましょう。
本気で小説家を目指している方は別かもしれませんが、多くのコンテストはいわゆる資格試験のようなものではなく、どちらかというとお祭りに近いものです。多くの場合、小説を盛り上げるために開催しています。そのようなわけで、作品の完成度などはあまり気にせずに参加してみるのをお勧めします。
Web小説を追っていると
Web小説を追っていると、シリーズの続きが投稿されず更新が滞っている作品とたくさん出会います。日々の生活を営みながら無報酬でやっていることなので、これはもはやそういうものと割り切るしかないです。
シリーズが長期化すればするほど、注目されにくくなるのもやるせないです。好きな長期シリーズの更新を待っているけど、新作を書いた方が注目されやすいのもわかるので、小説界隈も大変だとひしひしと感じます。
流行りのジャンル、例えば異世界ものなどについては、割と受け入れてしまうタイプなので何も感じるところはありませんが、流行り以外のものが注目される機会があまりにも少ないのも、Web小説の難しいところだと思います。
小説みがらいあを見てくれているかもしれない人
私も小説と銘打って、みがらいあの物語をpixivに投稿しているのですが、長らく更新が滞っています。続きを書きたい気持ちはあるのですが、なかなか進められないでいます。
最近、pixiv小説のアップデートで、ウォッチリストに追加すると作家さんに通知が行くようになりました。そのおかげで、みがらいあが10名ほどウォッチリストに入れてくださっていることがわかりました。小説は本当に見てもらうのが難しいので、これは嬉しかったです。
文字ばかりの作品よりも、一枚の絵の方が見てもらいやすいのは当たり前かもしれません。でも、その一枚を書くために、世界観をより鮮明にするために、ストーリーを書いている面もあるため、その不思議な相互関係に、私は頭を悩ませています。
また小説が書きたくなってしまった
冒頭で述べたように、最近pixiv小説が盛り上がっています。楽しそうな企画もあって、私はつい小説が書きたくなってしまいました。そしてあれこれ考えているうちにちょうどいい長さの記事が書けそうになってしまったのでここに書いてしまいました。
もちろんお絵かきは大好きなのですが、小説は小説で別の楽ししさがあるのです。私にとって、お絵描きはキャラクターたちの姿を映し出す作業だとすれば、小説はキャラクターたちの生き様を浮き彫りにする作業です。ちなみに作曲は、キャラクターたちの世界の雰囲気をお伝えする作業です。
私がまだ中学生の頃、『映像と、音楽と、ストーリー。その三つを軸にして何かを伝えることをやりたい』などとカッコつけて言っていたのですが、今やってることも何も変わってなくて恥ずかしいです。何年経っても自分の根っこは変わってないみたいです。