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pixivSketchを盛り上げたい

私はpixivSketchが好きです。長らくお休みしていたお絵かきを再開したきっかけもpixivSketchにありますし、そこで仲良くなった方もたくさんいます。

久しぶりにpixivSketchの投稿数を調べてみたのですが、数年前と比べて全体の投稿数が減っていたことに気づきました。1日あたり4分の3ぐらいまで減っています。

それほど大幅な減少ではないのですが、ユーザー数が増えている事を考えると、何らか原因がありそうです。

この記事では取り扱わないこと

もちろん、たまたま私が調べた日だけ少なかったとか、夏休み前だから登校が少なかっただけとか、そういう理由も十分にありえます。ただ、この記事ではそういった可能性は除外して考えていきたいと思います。

今でも変わらず良いと思う点

考察の最初に、pixivSketchが以前から今に至るまで変わらず良いと思う点を述べます。

  • 良質なコミュニティ
  • 使い勝手の良い使用感
  • 定期的なイベント
  • 充実したアプリの機能

まず良質なコミュニティについてです。以前から私や他の利用者が証言しているとおり、穏やかで建設的なコミュニティが築かれているように思います。そこがpixivSketchの一番の魅力だと感じていますので、今でも変わらずいてくれたことが本当に嬉しいです。

次に使用感についてですが、これもよく設計されていて不便に感じることはほとんどありません。何かを描いたら、すぐに投稿できますし、動作もずっと安定しています。この点で不満を抱いたことはほとんどないように思います。

また定期的にイベントが開催されるのも高く評価しています。イラストコンテストを頻繁に行っているのも嬉しい点です。また毎日出されるお絵描きのお題は、私を含め多くの利用者に親しまれています。

専用のアプリが用意されていて、スマートフォンやタブレットでお絵かきしたり投稿したりできる点も素晴らしいです。機能もだいぶ充実してきたので、お絵描き体験はさらに良いものになってきています。

以前から大変なこと

原因の考察の前に、以前から大変だったことを先に挙げようと思います。それはPixivとpixivsketchの違いを説明するのが大変だということです。

一見して、とても簡単な問題に思えるのですが、pixivSketchのことをpixivと混同している方もいて、pixivSketchについて紹介してもpixivのことだと思われてしまうという事態が発生しがちです。

ただこの点については、前身のサービスとも言えるdrawrが逆にpixivのサービスだと言うことが分かりづらく、利用者が流入しづらい状況だったという前例があるため、一概に名前を変えれば解決というわけにはいかないのでしょう。

以前にはなかった問題たち

以前にはなかった問題には次のようなものが挙げられます。

  • とっつきやすい二次創作コンテンツの不足
  • 長期利用による興味の低下
  • 目新しさがなくなってきたこと
  • 温度差を感じる連携サービスからの投稿
  • 競合サービスの登場
  • サービスの見つけにくさ

一つずつ見ていきましょう。

とっつきやすい二次創作コンテンツの不足

pixivSketchで過去で一番の盛り上がりを見せた二次創作は『おそ松さん』でしょう。シンプルな絵柄なので描きやすく、主役がほぼ同じ顔の兄弟たちであるため ifの設定を考えやすいという、二次創作にはうってつけのコンテンツでした。そして気軽にイラストを描いて交流できるpixivSketchとは抜群に相性の良いコンテンツだったと言えます。

そして今、流行しているコンテンツといえば、例えば原神のようなゲームだったり、ホロライブやにじさんじのようなVTuberたちします。どちらも魅力的で可愛らしいキャラクターが多い反面、デザインが複雑で難しく、気軽にイラストを楽しむpixivSketchとは相性が若干悪いと言えるのかもしれません。

こういった二次創作の原作についてはpixivSketchがどうこうできる課題ではないので、他力本願になってしまいますが、手軽に描ける二次創作しやすいコンテンツが流行すればpixivSketchが活気付くことは大いにありうると思います。

これは極論ですがpixivSketchがそういったパワーのあるコンテンツを生み出すことができれば問題は解決します。いわゆるエコシステムです。ただ、それをするだけの労力の課題やそこまでサービス側が介入するべきかといった問題があることなど現実味がないのは認めます。

そこまでいかなくても、雑誌の誌上企画のようなユーザーと一緒になってキャラクターやストーリーを考えるようなイベントが定期的にあれば、描かれやすいキャラクターが誕生する可能性はあります。この点について現状で担っているのがユーザー企画です。この点については後述します。

ちなみに、描きやすいキャラクターの目安として一例を紹介しますと、絵描き同士で描きやすいキャラクターデザインについて語り合うと、『東方』シリーズや『艦これ』などはキャラクターがシンプルで描きやすいという意見をよく出ます。

長期利用による興味の低下

数年間サービスを利用していると発生する問題があります。活動に飽きてしまう、サービスが今の自分に合わなくなってしまう、そして徐々に離れてしまうなどです。

ユーザー自身の変化による問題については打つ手がないかもしれませんが、システム面で、長期利用すると発生してくる問題というのも存在します。それは閲覧性の低下です。

長く利用しているとフォローするユーザーが増えてくるので、必然的にフォローしたユーザーの投稿が相対的に増えます。そしていつしか全員をチェックできなくなり、場合によっては相互間のやり取りが希薄になっていっていきます。

どんなサービスであっても長く続ける、続けてもらうというのは難しい課題です。一定の人々が離れてしまうのは仕方がないことでしょう。とはいえ、私の知る限り長く続けている方もたくさんいます。

この点については長く続けている方、離れてしまった方の意見を聞いてみたいものです。長く続けている方は、定期的な投稿の中になんらかの楽しみを見出しているはずなので、長く楽しむ秘訣のようなものを教えていただきたいです。

目新しさがなくなってきたこと

pixivSketchもサービス開始から数年経っていますので、すでに目新しさでユーザーを獲得する時期はとうに過ぎていることでしょう。かくいう私もサービス開始のアナウンスでpixivSketchを知った一人なので、今新規で参加される方がどういった経緯で始めたのかは気になるところです。

どんなサービスでも目新しさはユーザーを惹きつける力があるため、たとえばアップデートで新機能を追加するなどしてユーザーの興味を惹こうとします。pixivSketchはそういった路線ではないように思いますが、ときどきアップデートで面白い機能が追加されるとワクワクしてしまいます。

私を含めクリエイターはアイデアにつながるものなら、なんでも欲しがります。アイデアに対して貪欲といっても過言ではありません。

以前に中の人にお話を伺った限りでは、アイデアを出す段階では結構奇抜な面白い機能を提案したり仮に実装したりしているようでした。変な機能でもいいから、次のバージョンで消えてもいいから新しい機能が欲しいと言うのはわがままでしょうか。

温度差を感じる連携サービスからの投稿

以前はなかったもので、今はあるものの一つに「ライブでここまで進みました」という投稿があります。これが何かというと、創作配信サービスのSketchLIVEがpixivSketchと連携してできる機能で、作業の進捗を簡単にピクスケに投稿できるというものです。

pixivSketchファンとしては大変言いにくいのですが、正直にいうとこの機能を使った投稿は温度差を感じて、なんとなく気持ちが萎えます。しかもSketchLIVEそのものは面白く利用者が増えているため、相対的に連携投稿ばかりが増え、余計にpixivSketchから離れていく原因になってしまっています。

なぜそう温度差を感じてしまうのでしょうか。推測ですがpixivSketchユーザーとライブ配信ユーザーのpixivSketchに対する熱量の差があるからなのでしょう。pixivSketchのユーザーは当たり前だがpixivSketchの投稿するために作品を作ることが多く、ライブ配信ユーザーは配信のついでに投稿するといった具合です。温度差が生まれてしまうのも仕方がありません。

ただこの機能も悪い面だけではなく、良い面もあります。pixivSketchユーザーがSketchLIVEを知る良い機会になりますし、SketchLIVEユーザーにとっては配信途中の絵を見てもらう良い機会になっています。

可能ならばライブ途中の絵はSketchLIVE自体に投稿できるようにしてほしいです。これはSketchLIVEそのものに配信途中の絵を投稿・閲覧できるギャラリーを作ってほしいというかなり強引な意見です。

さらにはっきり言うとSketchLIVEを独立したサービスにしてほしいです。これを希望するのは消極的な理由がメインではなく、SketchLIVEは最高に面白いので、もう独立したプラットフォームとして大きく成長してほしいという願いから来ています。

例えば、配信プラットフォームとして独立していれば、いわゆる『配信で登録者を獲得していく』という欲求が満たされますし、視聴者としては『チャンネルを登録して推す』という欲求が満たせます。今のところフォローはpixivSketchと結びついているため、配信を見てくれるユーザーとpixivSketchのフォロワーを区別するのは大変難しいのです。

競合サービスの登場

意外なサービスが競合になりつつあります。それがDiscordです。簡単にお絵かきコミュニティが作れるため、よりニッチでニーズに沿ったサーバーが次々と登場し、その結果ユーザーはDiscordで満足してしまうのです。

私もDiscordサーバーを運営しています。そのため実感を込めて言えるのですが、サーバー内で活動していると、それで満足してしまいます。投稿すればリアクションがもらえますし、映像付きで通話しながら作業を進めることができるからです。

このようにコミュニティが分散するのはウェブ全体としては正常なことなので、良い傾向だと思います。とはいえpixivSketch好きのユーザーとしては複雑なところです。

しかしこれはチャンスでもあります。お絵かきコミュニティが多数存在することは、どのようなニーズが存在するのか把握する助けになるからです。例えば、お絵かきサーバーの多くにはアドバイスをもらうためのチャンネルを設けていたり、共同で何かを作るためのチャンネルを設置していたりします。そのようなチャンネルが存在するのは、個人が自発的にコミュニティを運営しているため、試行錯誤を繰り返すことができ、潜在的なニーズを発掘することができているためです。

pixivSketchにもそのような潜在的なニーズが存在するかもしれません。数多のコミュニティからヒントを得ることができますし、それを逆手にとって個人ではできないことを実装して差別化を図ることもできると思います。

サービスの見つけにくさ

pixivSketchがどんどん見つけにくくなっているように感じます。サービス開始当初こそpixivからの誘導が目立っていましたが、今はそれもなくSketchLIVEを利用している人がそれがpixivSketchに紐づいていることに気づくくらいです。そのSketchLIVE自体、PCブラウザ版のpixivでは誘導が縮小しています。

このような変化により、今後はより積極的な呼び込みが必要になってくるでしょう。私自身、以前はpixivSketchの新規ユーザーはpixivから入る人がほとんどなので外部での宣伝はそれほど効果がないと踏んでいました。しかし、状況が変わりました。今こそ宣伝に力を入れる時なのでしょう。

しかし、宣伝の難しさは身をもって知っています。以前pixivSketchから案件をいただいたときも自分の宣伝力のなさを痛感しました。今でも配信やコミュニティでpixivSketchを紹介することがあるのですが、どのくらい効果があるのかは不明です。

ところで、新規で参加する方はどこから入っているのでしょう。新しく入ってきた方に尋ねてみたいところです。

今後より面白くできそうなもの

以前にはなかった問題についての考察は以上になります。次に、今ある良い点のうちさらに面白くできそうなものについて触れたいと思います。

  • 公式が企画するイベント
  • ユーザー主導の企画
  • 盛り上げてくれるユーザーの存在

公式が企画のイベント

すでに述べた通り、公式が企画するイベントはさらに面白くなる可能性を秘めています。pixivSketchのエコシステム化だったり、誌上企画のような長期的なイベントについてはすでに触れました。

とはいえ案を挙げるのは簡単でも、実際に影響力を考慮しつつ実装まで漕ぎ着けるのは容易ではないです。現状うまくいっているものに手を加える危険性も念頭におかなければなりません。

さて、これは私の独り言なのですが、ゲーム的な要素、遊べる要素が欲しいです。SketchLIVEの領分かもしれませんが、お絵かき伝言ゲームのようなものや、うろ覚えでお題を描く遊び、二人で半分ずつキャラクターを仕上げるゲームなど、お絵かきに関わる遊びはたくさんあります。

そしてさらに無茶苦茶な願いですが、ユーザーが楽しむ前にまず公式が遊んでほしいとさえ思っています。つまり、試験的な機能を試せる場所がアプリの端っこにでもあったらいいな、ということです。ある機能を搭載するか否かの最終的なジャッジの前に、ユーザーの生の声を低リスクで受け取れるようになってほしいです。

ユーザー主導の企画

pixivSketchを面白くしているものの一つにユーザー主導の企画があります。これはユーザーが自発的に企画を考え、その趣旨を投稿することによって、興味ある方がコメントや投稿で参加できるようになるというものです。

今開催されているユーザー企画の一覧が見れたら良いと思うのですが、これはあくまでもユーザーが自発的に企画するものなので、運営側が何かをするというのは筋違いなことかもしれません。

気の利いたユーザーが自発的にユーザー企画をまとめてくれたら、それは素晴らしいことです。誰かやってくれる方はいないでしょうか。

運営側がユーザー企画をより楽しくより安全にできるように、テンプレートを用意したり最低限のルールを定めたりはできるかもしれませんが、やはりそれもユーザーが主体となって行うことでしょうか。難しいところです。

盛り上げてくれるユーザーの存在

いついかなるコミュニティにおいても積極的に盛り上げてくれるユーザーはありがたい存在です。またリーダーシップを発揮してくれるユーザーや場を和ませてくれるユーザーはコミュニティに欠かせません。

pixivSketchにも何人かそれに該当するユーザーがいて、コミュニティを積極的に盛り上げてくれています。これもユーザー企画と同様、運営側がどうこうする点ではないのかもしれません。

とはいえ私にもこの人がいたからこそ続けられている、というような経験があります。一人の利用者としてそのようなユーザーの恩恵を受けているのは事実なので、感謝を忘れないようにしたいです。

まとめと反省

この記事では以前と今を比較してpixivSketchのどんな点が変わったか、どんな問題が発生したか、どのように解決できるかについて考察してきました。

何度も繰り返しているように私はpixivSketchというサービスが好きなので、これからも盛り上がり親しまれていったらいいなと思っています。

その気持ちが高じて、長所も短所も隠さず書いてしまう厄介な投稿者になりつつあるので、早く好き好き言うだけのおめでたい人間になりたいです。

ではまた、良い創作を。