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絵師という呼称について

絵師という呼び方とそれに関係する事柄を考察した記事です。

絵師という言葉の定義

はじめに絵師という言葉の定義について述べます。

絵師というのはネット上で使われるようになった俗語です。絵を描く人のことを指して用いる言葉で「絵描き」とほぼ同じ意味を持っています。

絵師は敬称です。自称することもありますが、基本的に絵を描く人あるいは投稿する人を指して絵師と呼びます。

絵師の品詞は、接尾語あるいは代名詞に分類されます。「○○絵師」のように言葉の後ろに付いて意味を付与したり、「絵師さん」のように代名詞として用いられたりします。また、名詞としても機能します。その場合は「絵描き」とほぼ同等の意味を持ちます。

「絵師さん」という呼び方は、敬称に敬称を重ねているために文法的に間違っているように感じるかもしれません。とはいえ「あなた様」という言葉があるように、「絵師さん」という言葉は「絵師」という言葉をさらに丁寧にした表現した表現であると捉えることができます。

人気による分類|絵師界のピラミッド

絵師たちを構成する社会を分類する方法の一つに、絵師界のピラミッドがあります。絵師界のピラミッドは主に絵師の人気によって分類されます。

ここで述べる人気とは、主にSNSなどに投稿したイラストの閲覧数が「伸びる」「伸びない」ことを指しています。投稿した作品がたくさん閲覧される人、たくさん「いいね」される人、拡散される人を人気のある人とします。

階層を構成する主な要素は次の三つです。

  • 底辺絵師
  • 絵師
  • 神絵師

これらの要素は人気による分類をしたときにのみ存在する特異なものです。言葉による装飾を取り除いた場合にあるのは、人気があるかないか、それだけの分類です。

底辺絵師|人気のないことを自称する絵師

底辺絵師とは人気の出ない絵師のことを指して用いられる表現です。自分が人気のない絵師であることを自称する際に用いられます。他人を侮辱するための蔑称として用いられる場合もあります。

底辺絵師の基準は曖昧です。人気があるとみなす基準によって、何に属するかが変わってしまうからです。また人気は絵のうまさ以外でも作れるため、人気のなさと表現力のなさは混同すべきではありません。

絵師|普通だと思われている絵師

絵師とは人気が普通程度の絵師のことです。底辺とみなすほどに人気がない訳ではなく、また神絵師と呼ばれるには至っていない絵師のことを指して使用します。

神絵師|一番ちやほやされる絵師

人気・拡散力・知名度の点で並外れた影響力を持つ絵師です。プロ・アマチュア問わず人気別に分類された絵師の中で一番人気のあるカテゴリーに分類される絵師です。

人気のよる分類の限界

絵師界のピラミッドは閲覧数や拡散力など、ユーザーの評価によって分類しているため、基準が曖昧で不安定です。流行に左右されることもあります。

そのため絵師を分類する新たな方法が必要とされています。

その他の絵師たち

人気による分類は、上位者を特定することが比較的容易です。そこに登場する絵師たちはランカーであったりプロ絵師だったりする場合が少なくありません。

ランカー|ランキング常連の絵師たち

ランカーとは、ランキングに名前の乗っている人を指す一般的な言葉です。

絵師を指して用いる場合は、主にイラスト投稿サイトのランキングなどで、頻繁に名前の出るランキング上位の常連者たちのことを指して用います。

プロ絵師|絵を仕事にしている絵師

プロ絵師とは、絵を描くことを仕事にしている絵師のことです。

プロであることと人気は直結していないため、プロ絵師が人気がある絵師とは限らず、また人気がある絵師がプロ絵師とも限りません。

絵描きは自分をどう自称すればいいか

絵師が自称するものではないという認識が広がるにつれ、代わりとなる表現が必要になってきました。それで「絵描き」を名乗ったり、「趣味で絵を描いています」などと肩書きではなく説明文で紹介したりします。

とはいえ、まだ主流と呼べるほどの表現はなく、絵を描く人が自称するための表現が求められています。以下には候補として考えた表現をあげます。

  • 絵描き|最もポピュラーで無難な表現
  • 描き手|「歌い手」から派生
  • 作画者|「実況者」から派生。アニメ業界における作画との区別が必要
  • 絵職人|芸術家と区別した表現
  • アーティスト|ポピュラーだが日本では適用範囲が広いので注意
  • ペインター|「イラストレーター」から派生。同名のソフトウェアあり

この中でいちばん無難なのがやはり「絵描き」でしょう。職人気質を自覚しているなら「絵職人」も悪くないかもしれません。また「描き手」という表現も堅苦しくなくて良いかもしれません。

ネット以外では使わないように

絵師という表現はサブカルチャー界隈ではよく知られた呼び方です。とはいえ、あくまでネット上で生まれた表現です。

将来的には広く使われるようになる可能性はありますが、現状サブカルチャーをあまり知らない人たちに対してや改まった場では使わないようにしましょう。