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ウェブ漫画を通して伝えたかったこと

私はこれまでいくつか作品のウェブ漫画を描いてきました。伝えたい思いと呼ばれるような大層なものはないかもしれませんが、漫画を描いた当時の思い出や、隠れたネタなどを記事にしたいと思いました。完成の古い順に書きます。

ダークサイド小春ちゃん

これは失恋をしてダークサイドに落ちてしまった女の子と、健気に想い続ける男の子の恋愛漫画です。全体的にギャグっぽく、女の子の毒の効いたセリフが特徴です。

この物語のテーマは『選ばれなかった幼馴染を幸せにする』です。よくある恋愛モノでは、両想いの幼馴染がいる状況で物語が始まり、ツンケンとした人と結ばれて物語が終わります。ずっと想い続けていた幼馴染はどうなってしまうのでしょうか。

私は解決策を考えました。それは物語の最後に『後日別れた』という一文を付け足すことです。別れたあと、今度こそ幼馴染と結ばれるでしょうか。どんな困難をどのように乗り越えていくのでしょうか。そんな後日談をコミカルに描こうと思ったのがこの作品です。

恋するホログラム

これはホログラムに投影される女の子が現実の男の子に恋をしてしまうという物語です。

テーマは『ハッピーエンドになり得ない状況でハッピーエンドにする』というものでした。ホログラムの女の子と現実世界の男の子では住む世界が違うので、両思いになるだけではハッピーエンドにはなりません。そこを、どうすれば幸せな結末になるだろうか、というのが課題でした。

幸せな結末を描くためにタイトルを『恋する人工知能』ではなく『恋するホログラム』としました。ちょっとしたどんでん返しが最後に待っています。それが唯一思いついた幸せな結末でした。

異世界ぐらしがはじまるよ

異世界風の短編漫画です。異世界に喚ばれた女の子と召喚した女性との会話で綴られる物語です。

この作品のテーマは『異世界モノでの最短のハッピーエンド』です。巷に溢れる異世界モノに対するアンチテーゼも多少は含まれていたのかもしれませんが、正直なところ羨ましいという気持ちも少なからずあったと思います。現代の知識やチート能力を持って人生をやり直すことができたら、そんな物語は面白いに決まっていますから。

タイトルに反して異世界ぐらしは始まりません。

夢の住人

夢の中で出会う女の子との不思議なひとときを描いた短編漫画です。

この漫画は、はるまきごはんさんの楽曲『メルティランド・ナイトメア』のイメージで描きました。素敵な曲です。夢の中の物語なので、つながりが不条理でも話が描けてしまうのが面白かったです。

こういう少し切ない物語が好きです。

死にたがりな少女と勇敢なデブ

この漫画は頑なに死のうとする少女をおデブな男性が必死に止めようとする話です。

テーマ『かっこ悪く生きろと叫ぶ』はです。辛い時期に自分を励ますために描きました。この物語は別の作品に挿入するつもりでしたが、予定を変更してこのストーリーだけを切り取って漫画にしました。

なぜか妙に作画に力が入っています。

正義のくまさんシリーズ

正義のヒーローであるくまさん(?)が少女たちを助ける物語です。

テーマは『大人になる瞬間』です。一番描きたかったのが風船を見送るシーンです。あのシーンを描きたいがためにこの漫画を描きました。中学生編では無印編で描ききれなかったストーリーを補うために描きました。

この物語に登場するくまさんと少女は、別の作品から持ってきました。くまさんの正体は私にもわかりません。

星海アイランドパーク(未完成)

この漫画は、おてんばなお嬢様と傍若無人な青年が無人島にテーマパークを作る話です。

テーマは『できないことに挑戦する』です。スタッフ用の小屋を建てたり、橋を建造してライフラインを構築したり、土木建築系の漫画になる予定でした。

作画を張り切り過ぎて、続けられなくなってしまいました。

みがらいあ(連載中)

無表情な女の子みがと、ツインテールの女の子らいあの日常の物語です。

テーマは『正義とは何か』です。この物語の登場人物は、みな生い立ちが独特であり、一般的な倫理観をもっていません。そんな彼女たちが価値観をぶつけ合いながらも、正義というものを模索していくという物語になる予定でした。

後日、ゆるゆるな日常に路線変更しました。

まとめ

全体的に『ハッピーエンド』を大きなテーマとして掲げているような気がします。また切なさやシュールさも自然と入り込んでいるようです。

漫画を描くことに対して何か目標があるわけではありません。それでも表現したいテーマを上手く描けたときは、とても気持ちが良いです。そして、漫画を見て楽しんでくださる方がいるというのは本当に嬉しいです。

もともと私にとって漫画を描くことはあまり馴染みがないことでした。なんとなく描いた1コマに寄せられたコメントに励まされて、いつのまにかこんなに描いていました。

続きが見たいという一言が、続きを描く力になります。