なぜクマ? なぜ学ラン? 正義のくまさん制作秘話!
めでたいことにPixivに投稿した4コマ漫画『正義のくまさん』が1000ブックマークを超えました。本当にありがとうございます。今回の記事ではその感謝を込めて、正義のくまさんの誕生・制作秘話を記事にしたいと思います。
くまさんは3つのキャラクターを掛け合わせて誕生した
正義のくまさんに登場する『くまさん』って特徴的ですよね。ものすごい怪力の持ち主で、強い正義感があって、意外とおっちょこちょいで、本物のクマなのか、それとも被り物か分からない見た目で、なぜか学ランを着ていて。
実はこのくまさん、自分の過去作から3つのキャラクターを掛け合わせたキャラクターなんです。それを紐解いていくと、正義のくまさんの秘密が全てわかります。
一人目:愛すべき筋肉バカの応援団長『学(がく)』
1つ目のくまさんの原型となるキャラは、応援団長という肩書きを持つ『学(がく)』というキャラクターです。これは過去に構想していたMETRONOTESという作品に登場したキャラです。
正義のくまさんが学ランを着ているのは原型となったキャラが応援団長だったからです。このキャラクターは筋肉バカであり、驚くほどの怪力の持ち主でもあります。危機の時には己の身を顧みず、命がけで助けてくれます。主人公を力強い言葉で肯定してくれる、暑苦しくも愛すべきキャラとして考えていました。
このキャラを考えた時に影響を受けたキャラは『リトルバスターズ!』の井ノ原 真人(いのはら まさと)と『俺物語!!』の剛田 猛男(ごうだ たけお)です。筋肉バカなところは真人から、命がけで助けてくれる力強さは猛男から取り入れました。
二人目:闘うホッキョクグマの『クマダ』
2つ目のキャラは、闘うホッキョクグマの『クマダ』というキャラです。これもMETRONOTESのために考えたキャラでした。
見た目は正義のくまさんとは違い、まさにホッキョクグマそのものの外見をしていました。実は正義のくまさんはシロクマなのですが、その由来はここにあります。
このキャラを考える時に影響を受けたキャラは、作品名は忘れてしまったのですが少女と戦士の熊が一緒に冒険する洋画(?)に登場する熊と、EARTHというドキュメンタリー映画に出てくるシロクマがモデルになっています。
ちなみにMETRONOTESの世界観に熊は合わなかったので、一人目と掛け合わせて、人間の『熊田学(くまだまなぶ)』というキャラに変更しました。それでも闘う戦士のクマのことは忘れられずにいました。
三人目:トラックを吹き飛ばすクマ
3つ目のキャラは、ヒロインをトラックから助けてくれるクマです。これは正真正銘の動物のクマです。正義のくまさんが最初のシーンでトラックを吹き飛ばすのは、このクマがモデルになっています。
動物園で働く女の子(動物と話せる)の物語を考えていたとき、サイドブレーキを忘れてたトラックから守られるシーンを描きたかったのですが、どうしてもインパクトを出すためにトラックを吹き飛ばしたかったので、人間では無理だなと思い、クマに登場してもらいました。
参考にした作品は児童文学の『動物と話せる少女リリアーネ』です。この作品に着想を得たというわけではないのですが、動物と話せるという作品をしっかり描いている作品があることに、元気付けられました。
幻の4人目:風船配りの着ぐるみのクマ
もう一人付け加えるべき人物は、私が作曲したとある曲に出てくる遊園地にいる風船配りのクマさんと女の子の歌です。女の子が風船を配っている着ぐるみのクマさんに出会い、やがて閉園する遊園地をバックに、寂しさと慰めを唄う歌です。
正義のくまさんが着ぐるみ風の見た目をしているのはここから来ています。
ちなみに風船の話は私の短編小説集『今ちゃん』にも登場します。風船配りの着ぐるみのくまさんが先なのか、今ちゃんが先なのか私も忘れてしまいました。
三人(+1人)掛け合わせた結果・・・
愛すべき筋肉バカの応援団長の学と、闘うホッキョクグマと、トラックを吹き飛ばして守ってくれる動物園の熊と、風船配りの着ぐるみのくまを掛け合わせた結果、正義のくまさんのくまさんが誕生しました。
正義のくまさんがなぜか学ランを来ていて、あんなに強くて、守ってくれて、着ぐるみのような見た目をしていて、シロクマで、人間なのかクマなのかよくわからないのは、全部、原型となったキャラから組み込んだ結果というわけです。
そんなこんなで考えた正義のくまさんの物語を漫画にして公開したところ、想像以上にくまさんを好きになってくれる人がいて、本当に嬉しかったです。
まとめ:キャラクターに歴史あり
この記事では正義のくまさんのくまさんの誕生・制作秘話を書きました。さらっと登場するキャラにも多様な歴史があるものです。きっと皆さんの考えたオリジナルキャラクターにも色々な想いが詰め込まれていることでしょう。
すっかり忘れているようなことでも、キャラを考えるきっかけになったことや、参考にした作品などを務めて思い出してみると、色々な発見があって面白いですよ。
それでは、良い創作を。