ドローイング・マイシスターの裏話
4コマ漫画『ドローイング・マイシスター』が無事完結しました。
全12ページです。
・・・がんばったよぉ!
小説にする予定だった
私は思いついたネタをアプリでメモしています。久々に見返してみたら、こんなメモを見つけました。
『 ドローイング・クライシス
描いたものを具現化ささせる能力を持った少年の話。作ったものは形だけでなく、性能も再現される。ちゃんと想像できないと意味がない。あまり絵が下手でなく、頭も良くないため、弟の助けを得つつ、敵と戦っていく。見た目が超絶ダサい。兄は超めんどくさがり、絵も下手、想像も苦手、変なところで真面目にこだわるのでロクなものが作れない。
主要な武器はパワーグラブ。殴るためではなく移動するためにつかう。力加減が非常に難しく、ぶっ飛ぶ。ももんがマントで空を飛ぶこともできる。対空時間に難あり。 』
寝ぼけて書いたので内容がちぐはぐですね。
これがドローイング・マイシスターの初期の案です。
このメモを見返して意外だったのが兄弟の話にするつもりだったということです。もうすっかり記憶がないです。
漫画ではほのぼのとした話になりましたが、割とバトルする予定だったことも伺えます。
(ももんがマントってなんだろう・・・?)
この段階では『じゃがいも』要素はなく、漫画にしようと思い立ってからも『パワーグラブ』を登場させようと思っていました。
漫画にした理由
「漫画描きたいけど、ネタが思いつかないなー。
そうだ、小説のネタを使えるかもしれない。
良いのあるかなぁ?」
ある日、私はそう考えました。
この頃には記憶が改竄されていて(!)、
『絵を具現化できる姉と妹の話』とか良いかも知れないな、と思い始めたわけです。
(兄弟設定はどこにいった・・・)
この時点での私の中の構想は、
・絵を具現化できるお姉ちゃん ・でも絵が下手なのであんまり役に立たない ・敵が出てきて街を襲う ・妹ちゃんピンチになる ・お姉ちゃんの描いた『パワーグラブ』で撃破 ・そんなこんなで姉妹で協力して戦っていく
という感じでした。
漫画版では姉がピンチ(に見える)展開でしたが、
構想段階では妹がピンチになるのを想定していました。
こうして見ると、漫画版と相違がありますね。
描いたら出てきた『じゃがいも』
いざ漫画を描こうとして初めて、
「お姉ちゃんの描く下手な絵ってどんな絵なんだろう?」
と考えたわけですが、
ここでようやく『じゃがいも』のアイデアが出てきました。
幼児が描く顔に手足が生えた絵のことを頭足人と言うそうですが、私はそれを個人的に『じゃがいもにんげん』と呼んでいます。
『じゃがいも』というワードはここからきました。
ちなみに読者さんの中に普通のじゃがいものことだと解釈している方もおられましたが、私の感覚では『じゃがいもみたいな何か』ぐらいのニュアンスで描いています。
漫画では最初から最後まで『じゃがいも』と呼ばれ続けていましたね。
じゃがいもが本当は何なのかは、私にもわかりません。
テーマは姉妹の距離感
今回の漫画のテーマは『姉妹の距離感』です。
でも、なんでそれをテーマにしたのかは、思い出せないのです。
私は大抵シャワーを浴びている時に話をまとめるので、その時もシャンプーで頭をわしゃわしゃしながら、まとめたとは思うのです、たぶん。
漫画や小説の構成を考える時、どう物語に折り合いをつけるか、みたいなことをよく考えます。
わかりやすく問題提起されて、ほどほど納得できる形で終結する。
起承転結のようなものが、最低限成り立つように、大体の話の骨組みを頭の中で組み立てておくわけです。
今回は登場人物やだいたいの出来事は決まっていたので、その枠内でなにを伝えられるのか、みたいなことを考えてような気がします。
・・・いえ、さすがに、これは記憶の美化のような気がしてきました。
実際のところどうだったのかは、すでに忘却の彼方にあります。
漫画のスランプを乗り越えた…!
私の作品を追ってくださってる方はすでに気づいていたかもしれません。
最近、漫画を完成させられなくなっていたのです。
いわゆるスランプですね。
スランプに陥ったのには割とはっきりとした理由があって、いままではアナログでペン入れしていたけれど、頑張ってデジタルに移行しようとしていたからです。
みがらいあのような、単調な画風ならまだ描けていたのですが、ある程度のページ数のある作品は全然完成させられずにいました。
デジタルの綺麗な線がしっくりこなかったり、無限に拡大・修正できるので、妥協のラインがあやふやになってしまって頓挫してしまったりしていたのです。
どうやってスランプを乗り越えたかと言うと、自分なりに漫画を描くためのルールを決められたからというのが大きいです。
私の決め事はこんな感じです。
・漫画を描く時 iPad は縦にする。 ・キャンバスは画面いっぱいにしておき、ペン入れのときも拡大しない。 ・ペン入れは使い慣れているペンを使う。
他にも気持ちの変化とか、目に見えない成長とかがあったのかもしれません。
ともあれ、また漫画をよかった、よかった。
やっぱり応援が大事
漫画を描いているときは『続きが見たい』という声が一番励みになります。
イラストのように1枚で完結というわけではないので、話数を重ねるごとに、モチベーションが低下したり、描き続ける動機を見失ったりします。
だから、漫画を描いている時のリアクションは特に嬉しくて、ありがたくて、本当に感謝しています。
漫画は応援なしでは描ける気がしません。
コメントを書いてくださるのは、読んでくださっている中のほんの数名ですが、その方がたに支えられている気がしました。
ほんとうにみなさんの応援のおかげで漫画を描くことができています。
これは綺麗事じゃなく、本当に本当のことです。
漫画は伝わる…!
漫画はリアクション数ではイラストに劣るものの、伝えたいことが伝わるかどうかでいうと、圧倒的に漫画の方が伝わりやすいです。
イラストと漫画を両方やっていると、どうしても漫画は工数も多いし、見てもらうまでのハードルも少しあがるしで、難しいことが増えます。
それでも漫画を描いてよかったと思えるのは、ちゃんと伝わるからなんですよね。
今回の漫画は『姉妹の距離感』という曖昧なものだったのにもかかわらず、ちゃんと伝わっていて本当に嬉しかったです。
(コメントを読みながらニヤニヤしちゃいました)
こういうことがあるので、また漫画を描きたくなってしまうのです。
まとめ
この記事では『ドローイング・マイシスター』の制作秘話や漫画の取り組み方について書きました。
本当に完成してよかったです。
応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました!
そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします!