みがらいあの意味
※この記事はネタバレを含みます。
みがらいあというタイトル、改めて見ると少し妙だと思いませんか。みがというのは無表情な女の子の名前です。らいあというのはツインテールの女の子の名前です。
それを繋げて『みがらいあ』というタイトルになっているのですが、らいあはともかく、みがは女の子らしい名前とは違うように感じます。
ところで、らいあはみがを「みが氏」と呼んでいます。これは本当のところは「みがし」と呼んでいた名残なのです。それは一体どういう意味でしょうか。
裏切り者の『みが』
みがは育った環境が原因で、『裏切り』が最も悪いことだと考えるようになりました。ある時、みがは仲間に裏切られました。それをみがは許せませんでした。
みがは報復のために、今度は自らが仲間を裏切りました。それは矛盾した行動でした。みがは罪の意識を感じ、こう言いました。自分は「罪と罰の冠をかぶっている」と。
罪と罰の冠、つまり部首は『网』です。网は「あみがしら」と読みます。みがは「あみがしら」の間を取って、『みがし』を名乗るようになりました。
これをらいあが呼ぶうちに「みがし」が「みが氏」に変わっていきました。お互い「みが氏」「らいあ氏」と呼び合う方が楽だからです。これがみがの名前の由来です。
嘘つきの『らいあ』
らいあの一番嫌いなものは『嘘』です。らいあにとって嘘は、人をあやめることと同じか、それ以上に悪いことです。しかし、らいあはみがと同じように自分が嘘つきであることを自覚しています。
らいあは名前は自来也(江戸時代の本に描かれた忍者の名前)などから取ったとうそぶいていますが、本当は違います。嘘つきは英語でLiar。カタカナ表記は「ライアー」です。そこから取って「らいあ」を名乗ることにしました。
しかし、それも半分は嘘です。らいあの本当の意味は、別にあります。
みがらいあの本当の意味
最初から何も隠されていませんでした。みがらいあというタイトルそのものが最大のヒントです。特に凝った仕掛けもありません。
みがとらいあを短く掛け合わせると、どうなるでしょうか。「みがらいあ」を略して、縮めて読むと「みらい」と読めます。みらいとは、読んで字のごとく「未来」のことです。あまりに単純なので拍子抜けしてしまったかもしれませんね。
そう、みがらいあは未来に関係するお話なのです。重要なのは、らいあが嘘つきであり、このギミックに気づいているという点です。
らいあの最大の嘘
らいあは自分の本当の名前を知っています。そして『未来』という言葉が何を指すのかを知っています。らいあは自分の名前を偽りましたが、それと同時にヒントも出しました。らいあの名前がわかると、みがの名前もわかるようになっています。
しかし、らいあが知らせたかったのは名前ではありません。もっと重要な秘密です。他人には隠しつつも、みがには気づいて欲しいのです。
すべては未来を変えるために
みがもらいあも孤独でした。みがは仲間に裏切られてすべてを失い、一人ぼっちでした。らいあはどうしても変えたい未来があり、時空の漂流者となりました。そんな2人が出会い、この物語が始まりました。
ちょっとしたいたずらやケンカは、2人にとっては些細なことです。2人が望むのは、ただ平穏な未来です。2人は正義のヒーローではありません。2人は望むものを手にするために、世界中を敵に回すことさえします。何が正しくて、何が間違っているのかさえわからないからです。
どこか危うくて、ときに残酷で、けれども暖かい。いつかは未来に帰ってしまう、少し切ない絆を描く。みがらいあは、そんな今と未来の物語です。