色彩に取り組む
この記事では最近の取り組んでいるイラストの色彩表現について記します。
寒色の中の暖色
イラスト作品『だるまストーブ』を制作する際、どのように暖かさを表現するのかに注意を払いました。作中で描かれているマフラー・コート・タイツ・ストーブといった要素は暖かさを表現するのに役立っています。
全体的にコントラストを抑えて優しい色合いを心がけました。ストーブの温もりや湯気、冷たい指先などを色で表現しています。さらに踏み込んで、周囲の寒さを表現する方法を模索しました。
しかし、これだけではパッと見て寒すぎるのではという懸念を抱きました。その対処のためにストーブの周りにうっすらと明かりを入れ、また全体的な色彩を微調整しました。
これが完成イラストです。背景は青色系ですが、先ほどと比べると温かみを感じるのではないでしょうか。このように、色は寒色・暖色といった大きな区分だけでなく、寒色の中でもより寒い色や暖かい色があったり、暖色の中でもより暖かい色や寒い色があったりするようです。一つ勉強になりました。
光源と反射
私は『天球儀』のイラスト作成に取り組む際、金属の表現に悩みました。天球儀自体が複雑な形状をしており、また光源の場所が特殊だったため、どのように反射するのか見当もつかなかったからです。
よりリアルな金属表現のために、3DCGを活用することにしました。光源を天球儀の中央の球に設置して、周辺の金属は光をある程度反射するように設定しました。
光源によって金属が反射したり影を作っているのがわかるでしょうか。この濃淡をイラストの色塗りに反映させることにしました。
イラストでは3DCGよりも大胆に塗っています。さらに光源や背景・人物を馴染ませるために幾つかの調整を加えました。
これが完成イラストです。
直感と偶然
イラスト作品『バスケットボール』を本格的に着色する前に、私はこのイラストを鮮やかな2色で分割していました。それはただの直感で描いたものであり、大した理由はありませんでした。
着色は難航しました。背景を含め、塗り進めましたがなかなかパッとしません。もっとリアルに背景を塗り込むべきだろうか悩みました。
最初の直感も考慮して、鮮やかな色を重ねることも試しました。レイヤーの種類や数を何度も試しました。しかし、これもまた納得のいくものではありませんでした。
完成形が見えたのは本当に偶然でした。何の気なしに、背景をくり抜いてみたのです。すると、それはとても良いものに思えました。鮮やかさや明るさなどを調整して、全体を整えました。
最初の直感と偶然が重なって、無事イラストを完成させることができました。
レトロな配色
イラスト作品『丸型ポスト』は比較的スムーズに着色できました。レトロな配色で塗ろうと決めており、レトロな配色例はいくらでもあったからです。
ポストは珍しく塗り込みました。この絵柄と塗り込みの相性が気になったためです。結果的に悪くないと判断し、採用することにしました。しかし、このままでは背景が浮いてしまうように思えたので、質感を加えました。
さらに色味などを調整し、全体が調和するように目指しました。
これでイラストの完成です。
模様のような塗り
イラスト作品『ハイカットスニーカー』では塗り自体を工夫しました。全体的な着色はこれまでの経験を活かして、大胆な色使いを選択しています。
真っ黒な背景にカラフルな三角形が印象的ですが、髪の毛やパーカーの一部などの塗りが、模様のようになっていることに気づいたでしょうか。塗りながら、少しやり過ぎたと感じつつも、中途半端に終わらせるよりは、やり切ったほうが良いと考えました。明るさやコントラスト、色味などを調整して、全体が調和するように努力しました。
これで完成です。
まとめ
こうして見返してみると、修正したい点やもっと良くできそうな点がありました。それでもひとつひとつ作品を完成させることで、少しずつ経験が蓄積されていくと信じたいものです。
私は配色に多少の苦手意識がありますが、真面目に色彩に取り組むことで、色を塗ることの楽しさを改めて認識することができそうです。
それでは、これからもお互い創作を楽しんでいきましょう。