振りそうで振らない曇天の空の下。いそいそと駅前の本屋に入った私は、文具コーナーの前で立ち止まった。そういえば欲しいものがあったはずだ。万年筆だっけ。原稿用紙だったか。うーん。

思いを巡らしながら店内をぶらついているうちに、あるものを見つけた。そてには、うさぎやカエルや犬などのキャラクターが刻印されている。そう、これだ。欲しいなぁとぼんやりと思いつつ、すっかり忘れていたものだ。

忘れていたくらいだから、必要もないのだろう。そう考えることもできたが、せっかくの機会なのでいくつか選んで買ってみた。

ネコのスタンプである。いろいろなデザインのものがあったが、私が特に心惹かれたのはこれだった。可愛いしバランスも良い。文字も可愛い。取っ手が木製なのもいい。これだ。これにしよう。

同時にインクも買った。色はすごく迷った。せっかく『よくできました』と褒めるスタンプなのだから、温かみのある暖色系が良いと思った。黄色か赤かオレンジか。黄色は見づらいのでパスした。赤はスタンダードな色だけど、今回は自分の趣味も考えてオレンジにした。

ところで、なんでスタンプが欲しかったのか。私は教師や塾の先生ではないし、宿題を見てあげるような子どももいない。これは自分用だ。スタンプそのものに愛着があるわけではない。私はコレクターではないのだ。

では、なぜ自分のためにスタンプを押すのか。自分を適度に褒めるためだ。以前に書いた「ひとりぼっちになりがちなクリエイターの話」という記事で述べたとおり、クリエイターは何かと孤独になりがちだ。

今はインターネットの登場で手軽に作品を共有できるようになってきた。それでも、人に見せるわけでもない作品や、あえて見せない作品があるだろう。誰かに見せる予定のない落書きはいくらだってあるだろう。

共有の良さを否定するわけでは決してないのだけれど、誰にも見せないという安心感のもとで、のびのびと作りたい作品がある。また、隠したい努力というのもある。絵師さんなら、絵や落書きは共有していいと思っても、日々のデッサン練習は見せたくないかもしれない。

見せたくないとは言っても、頑張った努力を褒められたい、認められたいという欲求がないわけではない。信頼できる友人や家族がいればよいのかもしれないが、いない場合は自分で褒めるしかない。しかし、どうやって褒めていいのやら、よくわからない。そこで。

自分の絵によくできましたのスタンプを押してみるというアイデアを考えた。よくできましたシールでもいい。形式張ったものではなくて、自分の趣味にあった洒落たスタンプがいい。

何気ない落書きもスタンプを押すことで、がんばった感じが出る。悪くない。しかし、このアイデアが良いものかと尋ねられても、まだ試したばかりなので正確なところは何とも言えない。面倒になってしまうかもしれないし、飽きてしまうかもしれない。

達成感を味わいながら、上手に創作に取り組めるようになりたい。

記事のタイトル「よくできましたスタンプでやる気をブーストする」| 公開した日付()| 更新した日付(2018年6月18日)| 更新した回数(1回)