盛り上がるストーリーにはヒロインが必須だ。ヒロインは古くから守られ助け出される存在として描かれてきた。また最近では強くて頼れるヒロインというのも認められるようになった。ヒロインは物語の中でも特に愛されるキャラクターである。

しかし、実際には好かれるヒロインと嫌われるヒロインがいる。「このヒロインはどうにも好きになれない」とか「ヒロインじゃないんだけど、この子の方が好き」とか、いくつか思い当たる節がある。両者にはどのような違いがあるのだろうか。

嫌われるヒロインの特徴を考えてみる。

ヒロインの座を奪うヒロイン:シリーズ物にたびたびいる。途中参加のヒロインがいつのまにかメインヒロインになっている。作品に思い入れがあるほどダメージが大きい。ヒロインの移行が上手だと不思議と反発の気持ちは起きない。

強すぎるヒロイン:バトルものにたまにいる。主人公の助けがこれっぽっちもいらないんじゃないかと思うほどに強すぎるヒロイン。それなのに都合の良いときにだけさらわれたりして助けられるヒロインの役になる。自力で解決できちゃうんじゃないかと疑ってしまう。

自己主張が激しすぎるヒロイン:恋愛ものに稀にいる。元気を通り越して、空気を読まずに突っ走りまくるヒロイン。主人公の助言をなぜかいつも無視する。手のかかる兄弟とかだったらよいのだが、ヒロインとしてはちょっと弱い。

天然なぶりっ子ヒロイン:無自覚の中に作為的な下心が見えるヒロイン。下心のようなものが見えてしまうとアウト。たとえ天然を徹底していても、仕草や言葉からそういうものを感じさせてしまうと、これに該当していまう。純粋な天然は愛されるので、加減が難しい。

製作者の意図が見え透いているヒロイン:可愛く見せようとか、可哀想と思わせようなどと、製作者の思惑を感じさせてしまうヒロイン。物語に都合のよすぎる不遇な過去を背負っていたり、謎の病を抱えていたりする。演出次第でよくも悪くもなる。

主人公の動機付けるためだけにいるヒロイン:困ったり泣いたりして主人公のやる気を出させる。主人公を説き伏せたりもする。そういうときの主人公は他の誰がなんと言おうとやる気がなかったのに急にやる気を出す。そのヒロインは物語を作るために仕方なく存在しているかのようである。

ひとりよがりなヒロイン:「たとえ世界中が敵になっても自分だけは味方だ」などと言う。他に頼れる仲間たちがいるのに言う。

忘れられるヒロイン:ゲームなどによくいる。序盤にだけでてきて、あとはほとんど登場しない。設定上はヒロインということになっている。主人公もその子のために冒険しているということになっている。しかし、プレイヤーとしてはずっと一緒に旅をしている仲間の方が大切に思える。

以上をまとめてみる。

嫌われるヒロインは、下心が見え隠れしていたり、都合が良すぎたり、感情移入ができなかったりする。都合上のヒロインというものを押し付けられているように感じるのだ。ときには感情的な脅威にすらなり、心の中ではヒロインというより敵とみなしてしまう。

では、好かれるヒロインというのはどういうものだろうか。上記に該当しないヒロインだ。愛らしくも下心はなく、製作者の都合ではなく読者に寄り添い、そしてヒロインであることを主張しない。そのヒロインは無害である。

ところで、好かれるヒロインが良いとは限らない。例えば、なんの主張もしない無害なヒロインというのは面白みがないかもしれない。嫌われるヒロインが悪いとも限らない。例えば、嫌われる存在として巧妙に描かれきたヒロインが、実は何々だったという展開も良いかもしれない。

文字や絵に描かれたキャラクターを好いたり嫌ったりするのは、不思議なものだ。創作物に対してこれほど色々な感情が湧くのは興味深い。その中で、なぜか好きになるヒロインがいて、あまり好きになれないヒロインがいる。以前は好きだったのに今ではあまり好きじゃなくなっていたり、嫌っていたのにいつのまにか好きになっていたりすることもある。

この記事では物語のヒロインに注目して、好かれるヒロインと嫌われるヒロインの特徴について自分なりの考えを述べた。

タイトル: 好かれるヒロインと嫌われるヒロイン
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最終更新: 2018年6月12日
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