繊細な線を描くための画材と技法

線の美しさ、繊細さに関する絶対的な指標はありません。

どんな線にも個性があり、それぞれの美しさを持っています。

ですから、繊細な線を描く方法について考える前に、それがどんな線なのか定義するのは良いことです。

繊細な線|電子機器でスマートに見える線

この記事では、繊細な線を『デジタル化したときにスマートに見える線』と定義します。

電子機器、つまりコンピューターやタブレットで見たときに、スッキリと見える線のことです。

電子機器のディスプレイはピクセルの集まりで画像を表示しています。ピクセルは非常に細かい正方形で表現されます。近年ディスプレイの性能が向上してきたとはいえ、あまりに細かいものはまだ表現できません。

現時点では、クセのある線よりもクセのない線の方が綺麗に表示できます。鉛筆で描いた線のようなムラのある線より、インクで描いたムラのない線の方が綺麗に表示しやすいということです。

スマートな線を描くための画材と技法

この記事では繊細な線をアナログで描くための良い方法を、画材と技法の2つの方向から考えます。

紙|漫画用の原稿用紙が最適

線の繊細さを左右する大事な要素となるのが紙です。紙にはいろいろな種類がありますが、主要な紙から4つを選んでみました。

  1. 漫画用原稿用紙
  2. コピー用紙
  3. 画用紙
  4. 水彩紙

漫画用原稿用紙(ケント紙)はインクのにじみが少なく、綺麗な線が描きやすい上質な紙です。消しゴムをかけても破けない耐久性があります。

コピー用紙は安価で購入できる紙です。紙の繊維が粗いので、インクがにじんでしまいます。

画用紙は耐久性と価格の安さのバランスの取れた紙です。色々な画材に使えますが、目が粗いので、綺麗な線は描くのは難しいです。

水彩紙は水彩画のための紙です。水分を含んでも紙が歪まない厚手の紙です。画用紙と同じく目が粗いので、綺麗な線を描くのは難しいです。

以上の比較から、どんなことが分かるでしょうか。

線を綺麗に描くのに最適な紙は漫画用原稿用紙ということです。

目が細かくて、インクのにじまない紙なら他の紙でも構いません。上質紙やケント紙でも代用できます。

筆|つけペンが最も使われている

次に筆について考えましょう。最も綺麗な線が描ける筆記用具は何でしょうか。たくさんの種類がありますが、その中から8つを選んでみました。

A. 鉛筆(2B)
B. 鉛筆(6B)
C. 筆ペン(中字)
D. 筆ペン(細字)
E. ミリペン(0.3)
F. ミリペン(0.1)
G. つけペン(Gペン)
H. つけペン(丸ペン)

鉛筆は芯の太さに関わらず、ラフや下書きを描くのに向いています。綺麗な線を描くのには向いていません。

筆ペンは柔軟なペンです。細い線から太い線まで描くことができます。微妙な力加減が必要です。

ミリペンは製図などに適したペンです。さらに細いペンも市販されています。

つけペンはよく漫画を描くのに使われます。筆圧で強弱がつけられ、手頃な硬さがあるので描きやすいです。

これらの中で最も漫画家に使われているのがつけペンです。とはいえ、筆ペン・ミリペン・つけペンなら、練習次第で綺麗な線が描けるようになります。

インク|墨汁で良い

インク(墨)については、濃くてにじまないものなら何でも良いです。

墨汁は最適です。安く入手できて、乾くのが早く、にじまないからです。

色|線の色を変えて繊細に見せる技法

線を繊細に見せる色トレスという技法があります。これは、周りの色に合わせて線の色を変えることで、線を馴染ませる技法です。

また、線の色を少し変えるだけでも効果があります

漫画用原稿用紙にGペンで絵を描いたとしましょう。それをコンピューターに取り込んで、色を塗ります。

線が黒色のままだと、線が目立ってしまいます。そこで、線を周りの色に合わせて変えてみます。

すると、線が周りに馴染むので、より綺麗に見えます。

この方法は線の主張を弱めるので、必要に応じて使い分ける必要があります。

画材と技法のまとめ

アナログで繊細な線を描くための画材と技法について考えました。スマートな線を描くのに良い画材や技法は次の通りです。

  • 紙|漫画用原稿用紙
  • 筆|つけペン
  • インク|墨汁
  • 技法|色トレス

紙はケント紙や上質紙でも構いません。筆はミリペンや筆ペンでも構いません。インクは濃い色でにじまないものなら何でも構いません。色トレスは必要に応じて使い分けましょう。

表現したいものによって画材と技法を選ぶ

記事の冒頭で述べたとおり、線の美しさや繊細さに関する絶対的な指標はありません。どんな線にも良さがあるものです。

今はデジタルの時代なので、スマートな線が良いとされているかもしれませんが、数年後にどうなっているかは分かりません。また、スマートな線が表現したいものにマッチしているとは限りません。

ですから、表現したいものによって画材と技法を選ぶのは賢明なことです。

そのようにして、絵を描くことを楽しみつつ、あなたにとっての繊細な線を探してゆきましょう。

記事のタイトル「繊細な線を描くための画材と技法」| 公開した日付()| 更新した日付(2018年8月17日)| 更新した回数(2回)