お絵かきばかりしていないで勉強しなさいと言われる子どもたち

「お絵かきばかりしていないで勉強しなさい」

と、お母さんに言われたことはありませんか。お父さんだったかもしれませんね。

そういう風に言われると、子どもはとてもがっかりします。もちろん、親は子どもの心配をして言ってくれているのことは知っています。勉強が大切なことも知っています。

でも、心の中にはモヤモヤしたものが残っています。言い返せないけれど、納得できない何かがあります。それは一体何でしょうか。一緒に考えてみましょう。

お絵かきは他の遊びとは少し違う

親にこう言われたとしましょう。

「テレビばかり見ていないで勉強しなさい」

ムッとするかもしれませんが、お母さんが言いたいことはよく分かります。

テレビは楽しくて夢中になれますが、でもテレビばかりを見るのは良くないことだからです。どうしてそう言えますか。

例えば、テレビ番組の間にはCMが流されます。つまらないので飛ばしたくなるかもしれませんね。

CMでは、いろいろな新商品が宣伝されます。もし、お店でシャンプーを買いたいとします。知っている商品と知らない商品、どちらを買うでしょうか。知っている商品ですよね。

ですから、たくさんの人に商品のことを知ってもらうために、いろいろな会社はテレビ局にお金を払って、CMを流してもらっているのです。

テレビばかり見ていると、CMをたくさん見ることになります。そうすると物がたくさん欲しくなってしまいます。それは、あまり良くないことです。

そう考えると「やめなさい」と言われたのがテレビだったら、納得しやすいかもしれません。

でも、お絵かきは、他の遊びとは少し違います。

お絵かきは自分を守ってくれる秘密の場所

学校ですごく嫌なことがあったとき、どうしますか。

お母さんに相談します。そうできたら、とても幸せですね。

でも、親が忙しくて、相談できないときもあります。全然話を聞いてくれない親もいます。そんなとき、どうしますか。

友だちに相談します。そういう友だちがほしいですよね。

でも、信頼できる友だちがいないかもしれません。友だちだと思って秘密のお話をしたら、みんなにバラされて恥ずかしい気持ちになったことがあるかもしれません。そんなとき、どうしますか。

むしゃくしゃして、物に八つ当たりしたくなるかもしれません。でも、何も悪いことをしていない物を壊すのは、優しくないことですよね。それに、毎日そんなことをしていたら、部屋の中がメチャクチャになってしまいます。

では、嫌なことがあったときどうしますか。

自分の嫌な気持ちを紙に書くと少しスッキリします。絵を描くと気持ちが少しだけ楽になります。

お絵かきは自分を守ってくれる秘密の場所のようです。

だれにも知られずに描くことができます。そして、だれにも知られずに自分の気持ちと向き合って、心の中を整えることができます。

お絵かきはなかなか認めてもらえない

運動が得意な子をうらやましく思ったことはありませんか。

だって、スポーツが好きな人は、たくさんスポーツをしていても怒られないからです。

それどころか、頑張って練習しているとみんなに褒めてもらえます。野球が上手な子は、野球のチームに入ります。そうして大きな大会に出られるとしたら、もう近所のヒーローです。

でも、お絵かきだと、なかなかそう思ってもらえません。

絵の練習をいっぱいしたとしましょう。上手に描けるようにノートに何回も何回もイラストを描きます。たくさん努力しました。誰かに褒めてもらえるでしょうか。

お絵かきはなかなか人に認めてもらえません。

もし将来のことを真剣に考えていて「イラストレーターになりたいから絵を描いている」と言ったとしても、なかなか信じてもらえません。もっとちゃんとした職業を目指しなさいと言われます。

そうすると、また気持ちがモヤモヤしてしまいます。そう言われるほど、お絵かきをして気持ちを整えなくちゃならなくなります。

プレッシャーをかけるのは実は逆効果

「テストで○点取れなかったら、お絵かき禁止」

そんな風に言われたことはありませんか。こんな風に、頑張るように圧力をかけることを『プレッシャーをかける』と言います。

たくさん思い当たることがあるかもしれません。

例えば・・・

「お絵かきばかりしていて将来どうするんだ」

とか・・・

「いつか社会に出たら大変なことになるぞ」

とかです。

プレッシャーをかけられると、とても不安になります。将来が怖くなってしまって、いつもの力も出せなくなってしまいます。

プレッシャーをかけられても、全然良いことがありません。

でも、親はそのことを知らないかもしれません。どうしてかというと、親も子どものとき、そういう風にプレッシャーをかけられて育てられたかもしれないからです。

だから、もしお父さんやお母さんがプレッシャーをかけてきたとしても、だめな親だと責めることは間違っています。

でも、プレッシャーをかけられるのは、やっぱり辛いことですよね。

やめなさいと言われたらどうする?

もしも親から「お絵かきをやめなさい」と言われたらどうしますか。

もちろん親の言うことを聞くべきですが、自分の意見を言ってはダメというわけではありません。ちゃんと話せば分かってもらえるかもしれません。

でも、親がカンカンに怒っているときは、何を言っても聞いてもらえませんよね。

ですから、親がくつろいでいるときを見計らって、ゆっくり話しかけましょう。

言うことをメモしておくのは良い方法です。

どんなことを話せると思いますか。

例えば、こう言えるかもしれません。

  • 私のことを心配してくれて、とても嬉しい。
  • でも「お絵かきをやめなさい」というのは、厳しすぎると思う。
  • お絵かきするとつらい気持ちが落ち着くし、本当に好きだから、やめたくない。
  • もちろん、勉強をしなくちゃいけないのはわかってる。
  • お母さん(お父さん)が納得できる、ほかの方法にしてほしい。(テレビを見る時間を減らす、宿題をもう少し真面目にやる、など)

ケンカをする必要はありません。

大きな声を出して、意見を絶対に通そうとは思わず、優しい口調で話しかけてください。相手が親であっても、です。

もし話を聞いてもらえなくても、あきらめないでください。

何度も話せば、きっと分かってもらえるでしょう。

絶対にダメと言われたら?

何度言っても、聞いてもらえないとしたらどうすればいいでしょうか。

学校の先生や信頼できる別の大人の人に相談することができるかもしれません。

それでもダメと言われたら、どうすればいいのでしょう。

親には子どもに制限を課す権限があります。

ですから、つらいかもしれませんが、親の言う通りにする必要があります。

反抗しないで素直に従うのは良いことです。

もしかすると、素直に従っている様子を見て、後で制限をゆるめてくれるかもしれません。

そうならないとしても、その経験はいつか役に立ちます。

親には何ができるか

もし、あなたが親であるなら、子どものためにどんなことができるでしょうか。

子どもと気持ちをよく通わせるのは大切です。

お絵かきばかりする子どもは、もしかすると感情を出せる場所が他にないのかもしれません。学校でつらいことがあって、お絵かきをして気を紛らわしているのかもしれません。

子どもの味方になってあげてください。

子どもにはお絵かきが必要なのかもしれません。あるいは友だちが必要なのかもしれません。

でも、一番必要なのは親です。

ときには子どもが親に反抗しているように見えるかもしれませんが、それでも一番頼りにしているのは親です。

ですから、子どもと一緒に時間を過ごし、子どもにとっての一番の親友であってください。

つらいことも絵の世界では力になる

お絵かきするのは楽しいです。

絵を描いていると悲しい気持ちが軽くなって、ワクワクした感情が湧いてきます。

でも、いつも楽しくお絵かきできるわけではありません。

もしかすると、親に「お絵かきをやめなさい」と言われることがあるかもしれません。

それは、とてもつらいことですね。

でも、どんなにつらいことがあっても、絵の世界ではプラスの力になります。

つらい気持ちを知っているなら、それだけ優しい絵を描けるようになるからです。

ですから、前向きな気持ちでいましょう。

それはきっと将来、あなたの力になるでしょう。

記事のタイトル「お絵かきばかりしていないで勉強しなさいと言われる子どもたち」| 公開した日付()| 更新した日付(2018年8月10日)| 更新した回数(5回)