なろうシステムで小説を書いてみよう

面白い物語を書いてみたいと思ったことはありませんか。感動する物語やわくわくする小説に出会ったときにそう感じたことでしょう。

ペンと紙さえあれば誰にでも小説を書くことができます。でも面白い物語となると、とたんに難しくなります。多様な言葉を知っていなければいけませんし、魅力的な人物を描けなければなりません。

もっと簡単に読む人を引き込む話が書けないものでしょうか。そのような便利な方法はあるのでしょうか。はい、あります。それが『なろうシステム』です。

なろうシステムとは

小説家になろうという小説投稿サイトで人気のある作品のパターンを集めたのが『なろうシステム』です。

ジャンプシステムという言葉を聞いたことがあるかもしれません。少年ジャンプで採用されている『友情・努力・勝利』に基づいた作品作りや、アンケートの結果によって連載になったり打ち切りなったりするシステムのことです。

なろうシステムはジャンプシステムの『小説家になろう』版というわけです。

人気作品の共通点を探る

小説家になろうでアニメ化になった作品をいくつか列挙してみます。

  • 異世界居酒屋〜古都アイテーリアの居酒屋のぶ〜
  • 異世界食堂
  • 異世界はスマートフォンとともに。
  • この素晴らしい世界に祝福を!
  • Re:ゼロから始める異世界生活
  • デスマーチからはじまる異世界狂想曲

これらの作品には、どんな共通点があるでしょうか。そうです。『異世界』です。

現代の知識を持ったまま異世界で活躍する

異世界ものはなろうシリーズの中でも特に人気のあるジャンルです。なぜ人気なのでしょうか。ヒントは『異世界で生活する現代人』という設定にあります。

現代の知識を持った人が、文明の育っていない世界で生活する。それだけで面白い展開を期待できます。現代知識を活用して、異世界で活躍してくれるのは間違いないからです。

そして『異世界』にはもう一つの重要なキーワードが潜んでいます。ただ過去にタイムリープしたり文明の未発達な地に旅するだけでは得られないものです。

敵なしのチート能力

チート能力とは、ゲームの設定を狂わせてしまうほどの桁外れに強すぎる能力のことです。

ところで、異世界に行くには、物語の都合上、誰かに招かれる必要があります。そして招く側としても、なんらかの使命があるため、優遇してでも異世界に行ってもらわなければいけないからです。そこで、現代人はチート能力を授かります。

ここまでで主人公は『現代知識』と『チート能力』の二つの強力な武器を手にしてしまいました。活躍の舞台は文明の発達していない『異世界です』。もうこれだけで十分面白いと思うかもしれませんが、まだ手にしていない武器があります。

タイトルだけで設定を伝えてしまう

小説に限らず物語はタイトルだけでは内容が伝わりにくいという問題があります。

たとえば『猫』という小説があるとしましょう。どんな話なのかわかりますか。分かりません。たぶん、猫は出てくるのでしょう。しかしそれ以上は、まったく想像がつきません。

ところが、ライトノベルでは非常に長いタイトルを付けて、タイトルだけで設定を伝えてしまうという手法が広く使われています。これはなろうシステムでも同様です。

なろう風のタイトルを考えてみよう

それでは、ここまで考えてきたシステムを使って、なろう風の作品のタイトルを考えてみましょう。キーワードは『異世界』『チート能力』『設定を説明するタイトル』です。

まずは、なろう風ではないタイトルを考えてみます。こんなタイトルがあるかもしれません。『重機無双』『シャイニングレイド』『薔薇の姫』。カッコいいタイトルかもしれませんが、なろう風ではありません。

どうすればなろう風のタイトルになるでしょうか。まずキーワード『異世界』をいれましょう。『異世界に行ったら◯◯』や『◯◯な異世界生活』など、そのまま異世界という言葉を入れてしまうのです。

次にキーワード『チート能力』を含めましょう。チート能力になりうるものなら、なんでも良いです。『レベルMAX』とか『攻撃力無効化』、あるいは『重機のプロ』とか『ゲーム大会優勝者』など現代で得た能力でも構いません。

最後に『設定を説明するタイトル』にしてみましょう。先の例を繋げて『異世界行ったら攻撃力無効化が強すぎて話にならない』とか『重機のプロフェッショナルな俺が異世界に行って農業革命』などと考えられるかもしれません。

それ以外の特徴|ライトノベルが基本

なろう風の小説はライトノベルが基本になっています。ライトノベルは純文学と比較して、段落の文が少ない傾向にあり、全体としてセリフ主体の物語になっています。

その多くは自分視点で描かれています。一人称は『俺』です。もちろん例外はたくさんありますが、ここでは分かりやすくするために、そうであると仮定しましょう。

ライトノベルでは魅力的なヒロインが登場します。複数のヒロインが登場することも少なくありません。そしてヒロインのほとんどが主人公に好意を寄せています。

説明調の文章は少なめですが、ヒロインの魅力や主人公のかっこよさを表現するために多くの言葉を使います。アクションシーンがあるなら、読者に伝わるように丁寧に動作を表現します。

実例1|重機のプロフェッショナルな俺が異世界に行って農業革命

俺、山田はどこにでもいる普通の会社員だった。

だけど、50歳になって初のリストラ。重機一筋でやってきた俺に、転職先なんてそうそう見つかるもんじゃない。コンピュータなんて今更覚えられないさ。

途方にくれていたある日のことだ。

長年共に働いてくれた愛機の油圧ショベルを会社に返しに行こうと、レバーを操作した。

その時だ。

世界が真っ白になって、俺は。

異世界に飛ばされていた。

油圧ショベルごと、な。

そこは、見渡す限りの不毛な大地。

かすかに泣き声が聞こえる。

近づいてみると、どうやらこんなことを言っているみたいだった。

「もう何ヶ月も雨が降らない!土地も枯れてしまった!我々はおしまいだ!」

明らかに異国風である彼らの言葉が、俺に通じるのか。よくわからない。

とはいえ、俺によく分かることが一つある。

この土地を再生させることは、重機を持っている俺にとっては容易いということだ。

実例2|異世界行ったら攻撃力無効化が強すぎて話にならない

「きゃーっ!!!」

少女の悲鳴で我に帰る。

俺は確か、さっきまでコンビニのバイトをしていたはずだ。

いや、違うな。

『条理を司るなんちゃら』とかいう変なやつに、真っ白い部屋に連れてこられたんだ。

ふわふわとした球体が無数に浮かぶ、メルヘンちっくな部屋だったな。

そいつは開口早々、俺にこう言った。

「異世界が危機に見舞われています。あなたが行って救ってください」

どこのファンタジーだ、と思ったよ。

だけど、周りを見渡す限り、本当に異世界に来てしまったようだ。

俺は悲鳴の聞こえた方向に目を向けた。

そこには巨大な石の塊が、少女を今にも踏み潰そうとしている。

「おいおい、ゴーレムかよ・・・」

なんていう場面に送ってくれたんだ、なんて軽口が口に出る間も無く。

体が先に動いていた。

正義感とかカッコいいもんじゃなくて。

ああ、あれさ、コンビニバイトの根性ってところかな。

ゴーレムの鈍重な動きのおかげで、一介のフリーターな俺でも間に合うほどには、時間を残してくれていたみたいだ。

少女を庇う形で、地面に伏した。

少女は少女で、

「だめっ!逃げて!」

などと叫んでいる。

そういう状況じゃないだろう。

ここで逃げたら、クビになっていまう。

「あー、俺って今は、コンビニ店員じゃないのか」

なんて間抜けなセリフが最期の言葉になった。

いや。

ならなかった。

俺の頭の中に、例の胡散臭い条理を司るさんの声が響く。

『あなたには、攻撃力無効化能力を授けました』

とりあえず書き始めてみよう

なろうシステムは、簡単に面白い設定の作品を作ることができる一つの方法です。

とはいえ、どんな作品にも言えることですが、作り始めないことには何も始まりません。

ですから、気軽な気持ちで、最初の一行を書いてみましょう。どんな文章でも構いません。もしかすると、そこから次の名作が生まれるかもしれないのです。

記事のタイトル「なろうシステムで小説を書いてみよう」| 公開した日付()| 更新した日付(2018年8月9日)| 更新した回数(0回)