絵柄に自信が持てない絵師たちの悩み

私たち絵師は絵柄について悩みます。自分の絵柄が見つからず、色々な絵柄を試します。やっと絵柄が見つかったと思ったら、誰かから「その絵柄は一般ウケしない」などと言われて、自信を失ってしまいます。

理想と現実のギャップ

そうなってしまう原因の一つは理想と現実のギャップです。私たちは常にワンランク上の理想を抱いているので、どんなに成長しても現実がそれに追いつくことはありません。その結果、ギャップに落胆してしまいます。

理想があるのは良いことです。それによって上達していけるからです。また、落胆するのは慢心していない証拠でもあります。もし自分の絵が究極の域に達しているなどと思い始めたら、上達できなくなってしまいます。

ですから、バランスの取れた見方が必要です。自分の絵柄がまだ理想に達していないとはいえ、上達しているのは確かです。自分の絵を甘やかさず、かつ厳しすぎないようにしましょう。バランスが大切です。

自分の絵柄が見つからない

ある絵師たちにとっての悩みは、自分の絵柄が見つからないことです。絵柄は絵師たちにとっては個性のようなもので、一種のアイデンティティーとさえ言えるかもしれません。それが見つからないのは絵師たちにとっては大きな問題なのです。

ところで、絵柄とはなんでしょうか。それは曖昧なものです。ある人にとっての絵柄とは「これはあの人の絵だ」とはっきりわかる絵の個性のことです。それは他の絵師たちと自分を区別する固有のもので、自分らしさが表れています。

絵柄が見つからないと絵師がいう場合、その絵師の絵に個性や特徴がないということではありません。そうではなく、他の絵師たちの絵と自分の絵を区別する、はっきりした特徴、ないしは自分らしさが見つけられないということでしょう。

自分らしさとは

自分らしさとは、その人の個性のことであり、他のことならせる固有の特質のことです。絵における自分らしさは、絵そのものの個性を指すことがあり、また絵に滲み出る作者像のことを指すのかもしれません。

自分らしさを一言で表現するのは難しいですが、それにはその人の長所や短所、得意なことや苦手なことが含まれているはずです。絵も同じです。絵の長所や短所、得意なことと苦手なことすべてが、自分らしさを表しています。

ですから、絵の個性を磨くには、まずは自分の絵をよく知る必要があります。自分の絵の長所はなんでしょうか。どんな点が優れているでしょうか。逆に苦手としているところはなんですか。正直に観察してみましょう。

長所を伸ばし短所を克服する

自分の絵柄を見つける出発点は、自分の絵を調べることにありそうです。そうするなら、必ず良い点と悪い点が出てくるでしょう。悪い点を知るのは、決して気持ちの良いことではありませんが、それも含めて個性と考え受け入れましょう。

長所を知るなら、それは絵を描く上での心強い武器になります。線がきれい、色使いが繊細、構図が巧み。それらはまぎれもない長所です。それを生かす方法はありませんか。ぜひ長所を伸ばしましょう。

覚えておきたい点は、短所が欠点とは言い切れないということです。苦手な点を知っているからこそできる表現があります。ですから、短所を見つけても落胆せずに、それをカバーする方法を考えましょう。

長所や短所は、自分ではなかなか気づけないかもしれません。正直に意見を述べてくれる
信頼のできる人がいるなら、その人に相談するのは助けになるでしょう。そうやって判断材料を増やしていくなら、自分の絵についてバランスのとれた見方ができるようになります。

絵柄について批判されたら

残念なことに、皆が建設的な意見を述べてくれるわけではありません。そのうちのひとつが「その絵柄は一般ウケしない」というものかもしれません。もちろん、その人は善意で言ってくれているのでしょう。しかし、この言葉はときに絵師を傷つけてしまう恐れがあります。

そのように言われた時、絵師はどう対処できるでしょうか。まず、傷ついたということを認める必要があります。相手を慮るあまり、自分を省みるのを忘れないようにしましょう
。そして、あくまで絵柄についての意見であり、自分自身を否定されたのではないことも思いに留めましょう。

私たちは相手の心を読めません。傷ついたのがどのような言動であれ、相手がどうしてそんなことをしたのか、完全に理解できる人はいません。ですから、すべてを知らないことを認めましょう。

洞察力は助けになります。その人は絵を描く人ですか。もしかしたらその人自身も絵柄に自信がないので、不安からつい言ってしまったのかもしれません。このように相手の気持ちを汲み取るなら、不必要に不満を募らせるのを避けられるでしょう。

一般ウケする絵柄とは

一般的にもてはやされる絵柄、流行の絵柄は常に変化しています。例えば、昔の日本では浮世絵というものが流行しましたが、今ではほとんど見ることはありません。

大きく変化しているものの一つは目の描き方です。昭和の少女漫画の描き方に、瞳に星を入れるというものがありました。それは漫画家たちに使われましたが、やはり漫画家たちによって違うものに置き換えられてきました。

現在はゴテゴテとした瞳ではなく、シンプルな瞳が目立ちます。しかしそれもまた流行の一つです。輪郭やパーツの描き方、筋肉の描き方に至るまで、いわゆる「一般ウケ」する絵柄は常に変化しています。

そのため、流行ばかり気にするのは時間の浪費になりかねません。もちろん商業的に活動している絵師たちにとっては流行を知るのは重要なことです。しかし、その絵師たちは流行の一歩先を見据えなければなりません。

多くの絵師たちにとって流行の絵柄を気にする理由はほとんどないでしょう。あるとしても、優先度はそれほど高くないはずです。ですから、自分の絵柄に「一般ウケ」を取り入れるかどうか、労力に見合う成果が得られそうか、冷静に判断する必要があります。流行は常に変化してるからです。

それでも悩みながら成長していく

どんなに知識で武装しても、悩みが全くなくなるということはないでしょう。心の繊細な絵師は少なくありません。繊細さは絵に求められる重要な要素です。また、苦悩が創作の原動力になることさえあります。

私たち絵師は、これからも悩みながら絵を描いていくのでしょう。それでも悩みと上手に付き合うなら、それは絵師として成長する糧となるはずです。

記事のタイトル「絵柄に自信が持てない絵師たちの悩み」| 公開した日付()| 更新した日付(2018年7月22日)| 更新した回数(2回)