液タブHuion Kanvas Pro 24(4K)を買ったのでレビューします

ガジェット////

2021年7月30日に24インチ + 4Kの液タブ『Huion Kanvas Pro 24(4K)』が発売されました。これは「もう液タブはこれで十分じゃないか」と思わせる製品です。このたび実際に購入しましたので、使用感も含めてレビューしたいと思います。

24インチの安心感

開封の際にまず感じたのが24インチのサイズ感と重量です。実際に机に置いてみると、27インチのモニターより一回り小さい程度でした。想像していた24インチよりは大きく感じられ、27インチ級が欲しかった私にとってはちょうど良いサイズ感でした。

ベゼルは34mmくらいです。これは一般的なモニターと比べると太く感じられ、Wacomの24インチ液タブと比べると細く感じられます。手を置いてみた感じでは、狭すぎず広すぎずといった具合でした。

重量は6.3kgです。持ってみるとずっしりとした重量感があります。決して軽くはないのです。ただWacomの24インチ液タブがかなり重いことを考えると、比較的軽いです。この程度の重量であれば女性の方でも簡単に設置できそうです。

縦向きの夢を見た

ベゼルの幅が上下左右で同じなので、縦向きにしたときに違和感がないです。VESA
マウンタにも対応しています。手元にあったモニターアームに取り付けて縦向きにしてみたのですが、テンションが数段上がりました。

イラストの向きについて一般的に、風景画は横長、キャラ絵は縦長がいいとされています。私はキャラ絵を描くことがほとんどなので、一度でいいから24インチ級で縦向きで描いてみたかったのです。

縦向きの存在感は、まさに圧巻。いつもの2倍以上の長さでストロークを描いていると芸術家になった気分を味わえます。ただ、自重でディスプレイのフレームが若干たわみます。私はそっと横向きに戻しました。(若干たわむだけで普通に描けます)。

束の間の夢、それだけで私は満足でした。

絵描きにとって大事な縦の解像度

ディスプレイはいつからか16:9が主流になり、縦の解像度が不足しがちになっています。現在ではMicrosoft製品に代表されるように4:3が見直されてきていますが、液タブ界隈ではまだまだ16:9です。

縦の解像度が足りないということは、縦長の作品を描くためのスペースがその分せまいということです。24インチといえども縦のスペースはiPadProを縦向きした程度くらいしかありません。

もし普段からiPadProを縦向きにして絵を描いているのであれば、24インチ未満だとそれよりも縦の解像度が低くなること覚えておきましょう。普段から縦向きで描いている方は24インチを選ぶのが無難というわけです。

普段4Kの人は4Kモデルを選ぶべし

液タブが欲しい人の中には4Kにするかしないかで迷っている方がいるかもしれません。ここにわかりやすい指標があります。つまり、日常的に4Kモニターを使っている方は迷わず4Kモデル購入した方が良いということです。

私は4Kの素晴らしさを滔々と語ることはしません。4Kモニターはすでに普及してきていますし、日常のものとなっているからです。環境の差をなくすために高解像度の液タブを選ぼうとするのは自然な流れでした。

解像度の差がないので、違和感がありません。前からそこに液タブがあったかのように馴染んでいます。正直なところ環境に馴染むかどうかはあまり重要視してはいませんでしたが、これこそが重要なのではないかとレビューをしていて感じています。

鮮やかすぎる色表現は気にならなかった

液タブを購入するにあたってかなり心配だったのが液晶の色表現です。色域が広くなったことで生じる影響に対して不安がありました。

実際に触ってみた感想は「そんなに気にならない」です。確かに色鮮やかでChromeやFirefoxのアイコンがいつもより自己主張が激しいような気はします。でも絵を描いている時に発色のことを意識することはありませんでした。

色味のバランスなども心配だったのですが、こちらも問題ありませんでした。キャリブレーターも同時に購入することを検討してましたが、今のところその必要性も感じていません。

私は色にかなり気を遣う絵の描き方をするときがあります。これについてはモニターで調整を行うことにしており、液タブに正確な色表現はそれほど期待していません。完成の一歩手前までいければそれで十分なのです。

アンチグレア加工による虹色粒子

使ってみて、むしろ気になったのがガラスのアンチグレア加工によって画面に虹色の粒子が見える現象です。これについては、どのメーカーのどの液タブを選んでもだいたいこうなっているので、現状は仕方がないと諦めるほかありません。

今のところの解決策は液タブから適度な距離を取ることです。むしろ『粒子が気になり出したら画面に近づきすぎなので距離を取りましょう』という具合の都合のいい指針になりそうです。

加えて、疲れてきた時や集中力が欠けてきた時も粒子が気になります。今描いているイラストに集中できていれば粒子が気になることはないです。粒子が気になり出したら、距離をとって少し休憩せよ、とそういうことにしておくのが良さそうです。

将来的には、ディスプレイの反射を抑えつつ、粒子も目立たない別の方法を模索してほしいと思っています。

視差の少なさを求めるならこれしかない

もし24インチ4Kで視差がより少ない液タブが欲しいなら、選択肢がこれしかありません。その条件を満たしている現時点で唯一の製品なのです。私がこの製品を選んだのも結局のところ、これが理由でした。

フルラミネーションという言葉を初めて知ったのはiPad Proからですが、その効果はiPad Proを現在も愛用していることから十分見に沁みていました。視差が少ないのは絵描きにとって嬉しいことです。

今後、他のメーカーからも視差の少ない24インチ4K液タブが発売されることでしょう。もし、私と同じような理由でこの液タブが欲しいかたは、一度、他のメーカーも含めて新製品をチェックしてから選ぶと良いでしょう。

ペンが劇的に良くなった

海外メーカーの液タブを語る上で外せないのがデジタルペンの使用感です。最近のHuion製品で採用されているPenTech 3.0により、海外メーカーにありがちな沈み込みの問題がきれいに改善されました。

ペンを押し込む必要なく、さらさらと描けます。冒頭で述べた「もう液タブはこれで十分じゃないか」と思った理由の一つはここにあります。使っていて違和感がありません。

ペンの描き味、とくに強弱の付けやすさはiPadのApplePencilに優っている貴重な点です。常日頃ApplePencilを使用していても違和感なく使えるのですから、十分に良いペンだと判断しています。

ペンの追従性・応答速度は実用レベル

ペンの追従性や応答速度は、すでに十分実用レベルに達していました。この製品で劇的に向上したわけではないですが、実用レベルなのには変わりなく、全く問題なく使用できます。

大型だから遅いとか、そういうことは一切ないです。もちろん高解像度を処理するのにそれなりのPCスペックが必要になりますが、条件を満たしていればスムーズに動作してくれます。

普段使用しているiPad Pro + ApplePencilと比較すると、やはりApplePencilの追従性には遠く及びません。これに追いつくにはこれまでの方法では限界がありそうなので、むしろここからが難しそうです。

コーナーのずれは仕様の限界

これは大型液タブの宿命なのですが、液タブの端に近づくにつれてカーソルが少し外側にずれます。キャリブレーションで改善できるとはいえ、全くなくなるわけではありません。他のメーカーも同様です。

これについてはペンタブの仕様というか採用している方式の限界だと表現した方が的確かもしれません。これを飛び越えるには技術革新が必要になるでしょう。

とはいえ普通に絵を描く分には問題ありません。画面の端をつつくような使い方は普通しませんし、中央付近はほとんどズレがなく、思ったところに線が引けます。

所有欲を満たすわけではない

高額なブランド品に存在する、あの独特な所有欲を満たすような感覚はありませんでした。しっかりした丁寧な作りで、けっして安っぽいわけではないのですが、高級感があるわけでもありません。

所有欲を満たしたいために液タブを購入する人はそうそういないと思いますが、念のために書いておきました。

それにしても所有欲を満たす液タブが存在するとしたら、それは一体どんな製品になるのでしょうか。MicrosoftのSurface Studioのような感じでしょうか。AppleのPro Display XDRのような感じでしょうか。

比較対象が増えている

これまでタブレットのレビューで比較されがちなものといえば、とにかくWacom製品でした。Wacomと比べてどうなのかがすべてだったのです。しかし今回レビューをして実感したことは、比較対象が増えているということです。

特にiPadPro + ApplePencilの存在は大きいです。初代が発表されてから数年が経ちますが、いまだにApplePencilの牙城を崩す製品が現れません。(個人的には先日発表されたMicrosoftのSlimPen2が気になっています)。

総合的に評価して、Huion Kanvas Pro 24(4K)は液タブの中では最高クラスの製品と言えるでしょう。それでもiPadPro + ApplePencilに軍配が上がる点が多く、その差を埋めるのは競合に追いつくことより難しいかもしれません。

6ヶ月か1年の保証を付けられる

公式ストアからの購入であれば、6ヶ月あるいは1年の保証をオプションで付けることができます。これは故障が心配な方には朗報だと思います。お値段は輸入のことも加えるとAmazonで買った方が安くなりますが、公式ストアからの注文も考慮して損はないでしょう。

良かった点のまとめ

  • ペンの描き味が劇的に良くなった
  • 4Kで高解像度に慣れた人でも違和感なく使える
  • 24インチで縦の解像度を確保できる
  • 追従性などの全体的な使用感に全く問題がない
  • ドライバの不甲斐が今の所ない
  • 大きすぎない、重すぎない
  • 本体の発熱が少ない

また最大の懸念点だった鮮やかな発色もそこまで気にならなかったことや、虹色の粒子もお絵かきに集中していれば気にならないことなど、マイナス点が少なかったことも個人的には大きいです。

改善してほしい点のまとめ

  • 縦向きでの使用も設計に織り込んでほしい
  • アンチグレア加工で粒子が見えないようにしてほしい
  • 高品質な発色にしてほしい
  • 所有欲を満たす高級感がほしい
  • 自由度の高い、安定感のあるスタンドがほしい

そこまで気にならなかったとはいえ、改善してくれたら嬉しい点であるのには変わりありません。

この液タブがおすすめな方まとめ

  • 4K以上のモニターを使用している等、高解像度に慣れている方
  • iPadを縦向きにして使用している等、縦の解像度を重視する方
  • 自分でキャリブレーションできる等、発色の違いに対処できる方
  • 海外メーカーの液タブを使ったことがある等、使用感の違いを知っている方

作業環境を良くするというよりは、現在の作業環境に適した液タブを買う、という意識で検討すると良いかもしれません。

記事のまとめ

この記事では私が最近購入した液タブ『Huion Kanvas Pro 24(4K)』についてレビューを書きました。この製品が気になっていた方、購入を検討されている方の一助になれば幸いです。