絵描きとWeb3.0

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新しいウェブの時代がやってくると考えられています。それは絵描きにどのような影響を及ぼすでしょうか。どんな関係がありますか。この記事ではその点について取り上げます。

イラストに置き換えて考えてみよう

Web3.0とは、簡単に言うと、大きな組織がデータを管理する集めている状態から脱却して、個人がデータの所有権を持つようになるネットの時代のことです。

わかりやすくするために、データをイラストに置き換えて考えてみましょう。Web3.0では、イラストが誰のものかが明確になり、改ざんしたり偽装したりすることはできなくなります。個人情報を大企業が集めることなく、自分で管理することができようになります。

Web3.0が絵描きにどんな影響を与える可能性があるのか、具体例をいくつか挙げたいと思います。

無断転載・自作発言の対策ができる

絵描きを悩ませる問題に無断転載や他者による自作発言があります。Web3.0ではイラストの所有権が明確になるため、それらの問題に対応することができるようになります。

現状ではイラストのデータを丸ごとコピーして『これはわたしが描きました』と発言すると、ある程度は騙すことができてしまいます。そのデータがオリジナルか複製品か判別するものはないからです。

Web3.0ではデータを複製して自作発言する行為が無意味になります。イラストを加工したものを自作したことしようとする行為も無意味になります。イラストの所有権は明確であり、改ざんすることはできないからです。

イラスト関係のサービスが堅牢になる

イラストの所有権が明確になると、不正アクセスや不正コピー行為の発見が容易になります。そのためイラスト投稿サイトなどがより堅牢なものとなり、利用者にとっても、運営者にとってもより便利になります。

現状では、投稿されたイラストが本物か偽物かを機械的に判別にすることは難しいです。よくある解決方法は発見者が運営に報告して、運営がそれに対処するというもので、どうしても人手が必要になります。

サービスが堅牢になれば、利用者はより安心して利用できるようになり、運営者はコストを削減してサービスの向上により多くの資源を使えるようになります。

イラスト依頼のトラブルが軽減される

Web3.0で最初に変革が起きるのは金融機関だと言われています。これまで銀行が担っていたところをブロックチェーンという技術に置き換えることによって、金銭的なやりとりがスムーズになります。

イラストの依頼で金銭的なトラブルが発生することは少なくありません。個人の依頼など支払いの保証がない場合、未払いになってしまうこともありえます。現状でそれを防ぐには、誰かが担保する必要があります。

ブロックチェーンが担保するようになれば、イラスト依頼のトラブルが軽減されます。互いのやりとりが記録されるので、支払いから逃れようとすることは難しくなります。そうなれば、イラスト業界の経済はより健全なものになるでしょう。

イラストの印税が発生する

Web3.0はイラストレーターの働き方を変えます。タイムカードは労働者の働いた時間を記録します。同じようにイラストレーターが費やした時間がブロックチェーンに記録されるようになれば、給料を設定する目安となるでしょう。

イラストの所有権がはっきりするので、所有権の売買や二次創作の可能性も広がるでしょう。デジタル画廊はより価値のあるより堅牢なものとなります。二次創作は、オリジナル作者がより厳密に二次創作についてのガイドラインを設定できるようになるでしょう。

現状では、趣味で描いたイラストがどれほど売り上げに貢献したとしても、それが還元されることはまずありません。しかし、イラストがもたらした恩恵が記録されるようになれば、いくらか還元される仕組みが作られるかもしれません。イラストの印税のようなものです。

イラストレーターだけでなく、お絵かきソフトウェアの開発者にも還元されるようになるかもしれません。現状ではソフトウェアの主な収入源は売り上げがサブスクリプションによる課金ですが、Web3.0では該当するソフトウェアを使って描かれたイラストが利益を生み出すとき、そこから開発者に還元されるわけです。

画像データが変わる

これまで書いた未来が実現されるには、画像データが変わる必要があります。現在の画像データとは全く異なるものです。プロセス全体が暗号化して記録され、それがブロックチェーンによって分散されて保持されます。その新しい画像データは、不正コピーすることも改ざんすることもできません。そして所有権を不正に書き換えることもできません。

これは不思議に思えるかもしれません。現状ではコピーすることはとても容易いからです。正確に表現するなら、書き換えやコピーが不可能になるわけではありません。不正にコピーしたイラストを従来のウェブ(Web1.0やWeb2.0)で公開することは依然として可能です。しかしWeb3.0ではそれができなくなります。

画像データが変わるためには、当然お絵かきソフトウェアが変わる必要があります。とはいえ操作が著しく変わることはないでしょう。

変化に伴う不安に対処する

Web3.0がこれほど大きな変化をもたらすと考えると、かえって不安になるかもしれません。変化に不安はつきものです。慣れ親しんだものが新しいものに変化するのは抵抗があるかもしれません。

不安を感じさせる要素はたくさんあります。今の時代のウェブに満足しているなら尚更です。データが中央集権にならない分、自分できちんとデータを管理しなければなりません。

とはいえ絵描きのやることは基本に変わらないでしょう。またWeb2.0や1.0時代のものがすべて消えるわけではありません。自分に合っているものを選べば良いでしょう。

今のうちに備えておこう

この記事に挙げた未来は、ブロックチェーンなどによって技術的にできるようになることです。技術的にできたとしても、それが新しいウェブの標準になるとは限りません。ウェブを支える人々すべてがイラストに思い入れがあるわけではないからです。

もし新しいウェブに期待することがあるならば、行動をする必要があります。どんな未来になるかは誰にもわかりませんが、変化は確実に起きています。Web3.0で何かが変わります。そして明敏な人たちは、すでに行動を開始していることでしょう。

もし時代に干渉できるとしたら、今がそのタイミングかもしれません。時代の荒波に向かって船を出すよりは、まだ穏やかなうちに出向するほうが良いのではないでしょうか。

今私たちができること

Web3.0で鍵となるのがブロックチェーンという技術です。ブロックチェーンについて学ぶのはよい備えになるでしょう。

絵描きは、絵描き同士でしか仲良くなれないということが少なくありません。技術者とも友好的な関係を築けるような方法を探すのもよいかもしれません。

より積極的に時代を作り上げたいという人もいるかもしれません。協力者を探し、助言者を見つけ、ぜひ果敢にチャレンジしてみてください。

先駆者の取り組みを参考にしましょう。詳しい人から学ぶのです。新しい技術に取り組むときは、どんな人でも手探り状態になります。情報を分け合いましょう。

失敗を恐れないようにしましょう。馬鹿馬鹿しく思えるようなアイデアでも、思い切って発言してみましょう。

まとめ

この記事では、Web3.0が絵描きに与える影響について書きました。

変化は日々着々と進んでおり、今も新しい時代に刻一刻と迫っています。その未来は私たち絵描きにとって心地よいものでしょうか。

私たちは泣いても笑っても絵描きです。

ですから今を、そして未来をこれからも描いていきましょう。